これから将来にかけて、なぜ創造性(クリエイティビティ)が重要視されていくのか。その理由を語りたいと思います。
『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』という論文が、世界中で話題になっています。これは、英オックスフォード大学で人工知能(AI)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授が、同大学の研究員カール・ベネディクト・フライ氏とともに著したものです。論文によれば、今、当たり前に存在する仕事の約半数が、今後の10年〜20年以内にロボットやAIに代替されるというのです。
ロボットやAIに代替されて「なくなる仕事」は、以下のような職種が挙げられています。
今後20年以内に「なくなる可能性が高い」仕事
- 保険の査定担当者
- レストラン・小売店の店員
- ネイリスト
- レジ係
- 給与・福利厚生担当者
- 電話販売員
- データ入力作業員
- 金融機関のクレジットアナリスト
- タクシー運転手・お抱え運転手
- テクニカルライター
これらの職種は、技術が進歩によって自動化と無人化が進む結果、人間が行う必要はなくなるだろうということです。
もちろん、ここで挙げたのはほんの一部に過ぎません。なくなる可能性が高い仕事はまだまだあります。
自分の仕事がなくなるかどうかを判断するポイントに、「情報の処理」があります。コンピュータは、情報の処理を得意としています。つまり、自分の仕事が情報の処理に関わるものであれば、将来的にロボットに代替される可能性が高い、ということです。
では次に、「なくなる可能性が低い仕事」を見ていきましょう。
今後20年以内に「なくなる可能性が低い」仕事
- 小学校教師
- グラフィックデザイナー
- 最高経営責任者(CEO)
- 弁護士
- 人事マネージャー
- スポーツトレーナー
- 写真家
- ライター・作家・漫画家
- 画家・彫刻家
- イベントプランナー
上記のリストが意味するのは、人にものを教えたり、全体の判断を下すのはまだまだコンピュータには難しいということです。そして、最も注目したいのが、「グラフィックデザイナー」「写真家」「ライター」「作家」「漫画家」「画家」「彫刻家」といった、芸術関連の仕事がたくさんランクインしている点です。上では挙げませんでしたが、ほかにも「歌手」「ソフトウェア開発者」などが「なくなる可能性が低い」とされています。
これらの仕事は「人間の感性に基づく」という共通点があります。コンピュータは、情報の処理は得意でも、人間の感性を理解することはできません。したがって、感性が関わってくる芸術関連の仕事は、コンピュータで代替することが不可能なのです。
感性は、創造性と言い換えることもできます。何かを作ったり、何かを表現したりするには、創造性が必要不可欠です。
今後、単純なルーチン作業はロボットが行い、人間はもっと高度な「クリエイティブな仕事」が求められるでしょう。芸術関連だけでなく、ほかの職種でもそうなっていくはずです。そうした未来に備えておくためにも、今のうちから、自分の中の創造性を伸ばしていくことが重要なのです。