Epic Games社長が語る、売り切り型ゲームの弱点

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Epic Games社長であるティム・スウィーニー氏がインタビューに答えていました。その内容が興味深いものだったので紹介します。

インタビューのリンクは以下になります。

jp.automaton.am

主な内容は、Epic Gamesの看板タイトルである『フォートナイト』に関してです。

ご存知の方も多いと思いますが、『フォートナイト』は世界中で大人気のオンラインゲームです。1試合につき100人が、指定されたフィールドで生き残りをかけて戦うバトルロイヤルで、自分で拠点を作成できる「建築」と呼ばれる要素が大きな特徴です。

今月、Nintendo Switch版が配信開始されましたが、リリース初日でまたたく間に200万ダウンロードを達成しました。このことからも同作の大人気っぷりがわかります。

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さて、その『フォートナイト』ですが、基本的に無料で提供されています。もちろん、完全に無料というわけではなく、ゲーム内に課金要素があります。

このような形態のゲームは今では珍しいことではなく、フリー・トゥ・プレイ(F2P)型と呼ばれています。

F2P型のゲームでは、特別なアイテムなど、他プレイヤーよりも有利に立てる要素に課金が設定されているのがほとんどですが、『フォートナイト』の場合は違います。同作では、課金要素はコスチュームや新しいチャレンジの追加などに絞られ、他プレイヤーよりも強くなることにお金を使うことはできません。試合で勝つためには、あくまで自分自身の腕前を上げるのみです。

この判断について、ティム氏はこれまでの失敗から学んだ結果だと述べています。

そのとおりです(笑)。プレイヤーたちは、全員が平等に遊べて、マネタイズ手段がゲームプレイに影響しないコスメティックアイテムに限定されたゲームが大好きです。ルートボックスやその他のギャンブル要素が含まれていないゲームが好きなのです。我々はその事実を、自らの失敗や経験から学び取りました。他の開発者たちも、我々の経験から学んでくれることを願っています。

そして、F2P型のゲームに対して、従来の「購入してしまえば全部の要素が楽しめる」タイプのゲームを売り切り型と呼びますが、ティム氏は現在のところ、売り切り型のゲームに回帰するつもりはないと言います。

その理由として、ティム氏はオンラインゲームの利点に、「ユーザーからのフィードバック」と「ゲーム内容の改善」が素早く行えることを挙げています。

――最後の質問になるんですが、PCゲーマーとしては『Unreal Tournament』や『Gears of War』を発売していたEpic Gamesが恋しくなる時もあります。そうした売り切りのゲームに回帰する予定はありますか。

Tim氏:
いいえ、ないですね。私達は『Gears of War』などのゲーム開発は恋しくありません。そういったゲーム開発には3年を費やし、発売した時にやっとユーザーが何を好むか、何が嫌いか、何を求めているかのアイディアといったフィードバックを得て、改善を進めるのです。そして、そこから3年をかけてそのフィードバックを反映します。3年をかけて実装するんですよ。ひどいものです。あまりにも長く時間がかかってしまいます。

一方、『フォートナイト』では毎週アップデートを配信しています。プレイヤーたちはゲームの何が好きで何が嫌いだったのか毎週フィードバックを寄せてくれますし、私達は彼らのニーズに応えられるよう、すぐさまゲームに変更を加えられます。結果として、かつてない速度でゲームの改善を進められるようになりました。私は、このモデルこそがゲーム業界にとって最良の選択だと思っています。このモデルで運営して、プレイヤーからのインプットにうまく応えることができれば、旧来のモデルで開発されたゲームよりもはるかに大きな成功をおさめられるはずです。

売り切り型のゲームは、一度購入してしまえば全部の要素が楽しめる点がユーザーフレンドリーである一方で、フィードバックが遅くなってしまうという弱点も持っています。

ティム氏へのインタビュー内容からは、今後のゲーム作りのヒントが詰まっているように感じられます。