Notion使ってみたけどやっぱりEvernoteに戻った話

1~2年くらい前から「Notion」というサービスが話題に上るようになった。これはどういうサービスかというと、Googleドキュメントのようにクラウド上にデータを保存するタイプのドキュメント作成ツールだ。Googleドキュメントと異なるのは、Notionではテキストが1行ごとに「ブロック」として管理されること。ブロックなので、あとから簡単に文章の位置を移動させることができる。そして最大の特徴は、「データベース」を作成できること。ToDoリストやガントチャートといったものだけでなく、論文のまとめリンクや読み終えた本のリストなども作成でき、細かいプロパティを設定して分類することができる。

こうした機能を持つことから、Evernoteの移行先としてNotionが挙げられるようになっていった。実際、Notionの公式もEvernoteからのインポート機能を提供しており、明確にライバル視している。

で、姫呂も試しにNotionを使ってみた。最初のうちは確かに便利そうだなと感じていたのだが、使っているうちに弱点もわかってきて、違和感が増大していった。

上述したように、Notionの特徴はデータベース機能にあるわけだが、弱点もまさにこのデータベースに由来する。簡潔に述べると、とにかく面倒なのだ。当然ながらデータベースの作成は手動になるわけだが、いちいち分類を考えていくのがとても面倒くさい。最初のうちは良くても、この作業を5年以上も続けられるかと考えると、かなりしんどい。

そこで次に問題になってくるのが、Notionは検索性が悪いということ。1行ごとにブロックとして管理しているせいなのか、同じタイトルのノートが連続してずらりと表示される。タイトルだけを検索するように切り替えることも可能だが、その逆、「特定のノート内だけを検索する」ということはできない。なので、「検索と置換」もできない。

そんなわけで「ライトに使う分にはともかく、ヘビーに使用するのはなぁ……」と思っていたのだが、ちょうどそんなタイミングでEvernoteの大型アップデートが発表された。スマホ用のアプリ、WEB版とPC・Mac版クライアントがそれぞれ一新されたのだ。

新しくなった Evernote for Windows・Mac | Evernote 日本語版ブログ

Evernote for iOS が新しくなりました | Evernote 日本語版ブログ

Evernote for Android が新しくなりました | Evernote 日本語版ブログ

ユーザーから見ればデザインに統一性がもたらされただけのように思えるが、実際には基礎となる土台部分から作り直している。これまでEvernoteは、誕生したのが10年以上も前ということもあり、それぞれのアプリが独自に進化しているという歪な状態になっていた。その歪さを、長い時間をかけ、ようやく修正したのである。

これにより、迅速な改善や新機能の追加が可能となった。その第一弾として、さっそく「ホーム画面」が公開された。

新しいホーム画面で、誰も見たことのない Evernote へ | Evernote 日本語版ブログ

ここ数年、ずっと停滞していたEvernoteが、ついに動き出したのである。

「ホーム画面」はさまざまなガジェットを自由に配置できる機能だが、注目すべきはスクラッチパッドだろう。これはタイトルをつけることができない、なぐり書き専用のメモで、普通のノートよりも物を書く敷居が低い。そして、このスクラッチパッドを、そのままノートに変換して保存することもできる。

個人的には、この機能にこそEvernoteが目指す方向性を感じた。つまり、「Evernoteは、ノートをとることに特化するのだ」という意思だ。

一方で、NotionはEvernoteだけでなく、MS WordやExcelすら不要にし、オール・イン・ワン・ワークスペースになることを目指しているという。

だが、はたしてそんなことが可能なのか。Notionが進化していくのと同様に、ほかのツールもまた進化していく。Notionだけが爆速で進化することはありえない。それを踏まえると、結局のところNotionは、「だいたいの機能がそこそこ使える」という立ち位置に収まるのではないかと思う。特定の機能に特化したツールに打ち勝てることはないだろう。

ちなみに現在、Evernoteは1行をブロックとして管理することはしていないものの、行を選択して自由に移動させることはできる。また、ノート内の文章検索ができるのは当然として、置換もできるようになった。

そういうわけで、ノートツールとしてはやはりEvernoteが1枚上手だなと思い、Notionからは去った。

なお、Evernoteの欠点としてよく言われている「プレミアムに課金しないと使える端末数が限られる」というやつだが、無料プランでも端末2台まで登録できるので、WEB版、スマホアプリ版を登録しておけば普通は充分である。なにより、NotionにせよEvernoteにせよ、ドキュメントツールとして重要な「履歴を遡る」という機能は課金しなければ使えないため、どっちにせよ本気で使うなら課金を前提に考えたほうがいい。