ガンヴォルトシリーズの外伝、『白き鋼鉄のX』を遊び終えた。ちなみにXは「イクス」と読む。前作、『ガンヴォルト爪』で主人公の片割れを努めたアキュラくん。その彼を単独主人公にした作品が『白き鋼鉄のX』である。
『ガンヴォルト爪』でもそうだったが、アキュラくんのハイスピードアクションが楽しい。最初のうちは操作に戸惑うものの、慣れてくるとステージを縦横無尽に駆け走ることができる。
アキュラくんには「ブリッツ」と呼ばれるゲージが存在していて、これを消費して空中ダッシュすることができる。初期装備ではゲージは3本あり、当然これがなくなってしまうとダッシュ不可能になってしまうのだが、ブリッツは、敵や壁に激突するとゲージが回復するという性質がある。つまり、常になにかに体当たりし続けているかぎり、無限に空中ダッシュができる。
アキュラくんの武器は銃。普通、銃を使うゲームは遠距離戦がメインになるのだが、上述のシステムのおかげで、銃を武器としつつも、果敢に敵に体当たりを仕掛けるという遊びになっている。しかも、敵に体当りするとロックオン状態になり、弾がホーミングレーザーに変化して強力になる。
この、「果敢に敵に向かっていく」というゲーム性は、同じ会社が開発した『ロックマン ゼロ』シリーズに通ずるものがある。しかも、アキュラくんはボス敵の能力の一部をコピーし、その特殊武器が別のボスの弱点になるわけだから、なおさらロックマン感が強い。実際、遊んでいてもガンヴォルトライクというより、ロックマンライクの感覚が強かった。もはや、タイトルは『ロックマン イクス』でよかったのではないか……とまで思った。
ブリッツゲージがなくなってしまった場合、地面に着地することでゲージを回復することができる。一方で、地面に着地せず、体当たりを繰り返しながら次々と敵を撃破していくと、スコアボーナスが入る。このとき、相棒のロロちゃんが褒めてくれるのだが、これが何度聞いても嬉しい。
現実もこのような褒められがあってほしい。 #NintendoSwitch pic.twitter.com/Y3SkKBNS9P
— 宇佐美 姫呂 / USAMI Hiro (@uhiroid) November 3, 2019
ガンヴォルト特有のシステムである、「スコアが1000点を超えたら歌が流れる」「攻略中に入手したクレジットで主人公を強化できる」「たとえ死んでも、相棒の能力『ソングオブディーヴァ』で復活できる可能性がある」は健在。これらのおかげでステージ攻略が楽しいし、初心者でもストーリーをクリアするだけなら可能となっている。
それはそうと、今回のソングオブディーヴァ発動時のロロちゃんはめちゃくちゃかわいい。
ロロちゃんかわいい。 #NintendoSwitch pic.twitter.com/WYoNDDMuw1
— 宇佐美 姫呂 / USAMI Hiro (@uhiroid) November 5, 2019
ロロちゃんの声は、前作で担当していた遠藤ゆりかさんが引退してしまったため、今作では峯田茉優さんに変更となっている。が、実際にプレイしてみたぶんでは、まったく違和感がなかった。
流れる歌の曲調は、全体的に「がんばろー」って感じの曲が多くなった。ロロちゃんの性格を反映したのだろう。
今回のボス敵は「翼戦士」と呼ばれているが、この翼戦士と戦うときの曲はシリーズ中で一番好き。
翼戦士のなかでは、分身系アイドルのイソラちゃんと、マント系執事のダイナインがお気に入り。
外伝となる本作は、近未来を舞台にしつつ、人間が「能力者」と「無能力者」に分かれているという設定は共通している。一方で、能力の名称が「第七波動(セブンス)」から「セプティマ」に変わっていたり、そもそも能力者が多数派になっていたりと、ガンヴォルト本編とは決定的な違いがある。この違いに関してはストーリーを進めていけばわかる。まあ、『ガンヴォルト』のときからは少なくない月日が経過しているよ、ということ。
その月日の経過を表すかのように、前作とは打って変わってアキュラくんの性格が丸くなった。ガンヴォルト本編では「能力者絶対殺すマン」で、主人公のGV(ガンヴォルト)にだいたい変な言いがかりをつけては襲いかかるという展開が多かったが、本作では全体的に落ち着いた雰囲気。
ストーリーを終えてみると「いろいろ苦労したんだろうな……」ということが察せられる。
いきなり本作からやってもいいが、できれはガンヴォルト1作目は先にやっておいたほうがいいかも(ラスボスのネタバレ的な意味で)。ちなみに、ガンヴォルト1作めと2作め(爪)が一緒になった『ストライカーパック』というものが販売されていたりする。

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ガンヴォルトシリーズは、2Dアクションにラノベっぽさを足したのが特徴だが、本作ではラノベっぽさの一端を担っていた「ライブノベル」は廃止された。ステージ攻略中でもがんがんキャラクターたちが喋りまくるというものだったが、アキュラくんのアクション性を考えた場合、本作においては廃止されて正解だったと思う。ハイスピードで突き進んでいる最中に会話が流れたら集中できない。
その一方で、ボス敵やアキュラくん固有の必殺技は健在なので、ご安心を。
初ボスの必殺技を食らった......。 #NintendoSwitch pic.twitter.com/oYYJoygU39
— 宇佐美 姫呂 / USAMI Hiro (@uhiroid) November 2, 2019
こっちも必殺技でお返し! #NintendoSwitch pic.twitter.com/gJZhYNAqzq
— 宇佐美 姫呂 / USAMI Hiro (@uhiroid) November 2, 2019
ストーリークリア後は、各ステージでボスが強化された「スペシャルミッション」があり、それを全部クリアすれば、各ボスと連続で戦う「ボスラッシュ」が遊べる。
ボスラッシュ時では、ボス敵は通常時と同じ強さなのだが、なぜかラスボスだけ強化されている。これにかなり苦戦した。最後はソングオブディーヴァからの復活→必殺技発動でぎりぎりの勝利を収めた。
これで思い残すことはない。やり込もうと思えばスコアアタック等があるが、ポケモンの新作も控えていることだし、そこまではいいかな。
なにげに値段の安さもよかった。AmazonだとCD2枚組の特典つきで4000円を切っているが、CDにこだわらず、ニンテンドーeショップでダウンロード版を購入すれば、さらに安く買える(2000円くらいだったか?)。
リーズナブルで、さっくり遊べて大満足。本当にいい買い物だった。

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