レジリエンスを勉強する一環として『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』を読んだ。内容を簡潔にまとようと思ったのだが、書いていて文量が多くなってしまったので分割することにした。
過去のレジリエンスに関する記事は以下。
今回は、ストレスの考え方について。
ストレスは考え方で変わる
「ストレスは健康に悪い」と思っていると死亡率があがる。
- 考え方が健康に影響する。
- 年齢についても、年齢を重ねるのはネガティブだと思うより、ポジティブに思うほうが寿命が伸びる。
ストレスを避けよう、減らそうとするよりも、ストレスについての考えを改め、ストレスを受け入れること。
ストレスという言葉は、小さなイライラの種を指す場合もあれば、うつ状態や不安など、もっと深刻な、精神的な問題を指す場合もある。広範囲。
- 本書では、あえて広義のまま「ストレス」という言葉を用いる。
人間はどうでもいいことにはストレスを感じない。ストレスと人生の意義は密接な関係がある。有意義な人生を送りたいと思ったら、ある程度のストレスは付き物。
大きいストレスでも受け入れることは可能(本当か?)。
考え方が健康状態に影響を与える。
- 「客室の仕事でも立派に運動していますよ」と教えるとダイエット効果が表れた。
- とはいえ、「テレビを観るだけでカロリーが消費される」といった明らかな嘘では効果がない。
- あくまで本当のことである必要がある。
言ってしまえばプラセボ効果。偽薬を本物だと思い込んで服用すると、本当に健康になってしまう、というやつ。
プラセボ効果よりも強力な思い込みの効果をマインドセット効果と呼ぶ。
- プラセボ効果は短期的だが、マインドセット効果の及ぶ範囲は雪だるま式に増大し、長期的な影響をもたらす。
思い込みがすべてマインドセットになるわけではない。
- マインドセットになるような思い込みは、単なる好みや学術的な事実、知的な意見を超越している。あなたの人生観を反映した中心的な信念である。
- 通常、マインドセットは世の中に対する見方にもとづいている。
- 人間は自分が思っているとおりの人生を送る、ということだろう。
- もちろん、これは解釈が可能な場合の話であって、解釈の余地がない、たとえば絶対的な貧困状態などではこうはいかないだろう。
ストレスをポジティブに捉えている人は、元からストレスが少ないのでは?
- 調査の結果、そういうわけではないことが明らかになった。
- ストレスをポジティブに考えられるかどうかは、過去1年間に感じたストレスの大小とは関係ない。
- また、楽観主義者というわけではないこともわかった。
- 楽観的な傾向があるものの、関連性は小さい。
- ほか、「マインドフルネス」や「不安定な状況に耐えられる力」も関連性は小さい。
「ストレスは害になる」と考えている人は、ストレスを感じたとき、原因から目をそむけ、逃げようとする傾向がある。反対に、「ストレスは役に立つ」と考えている人は、原因に対処する方法をしっかりと考える。
ストレスをポジティブに捉えられるようになると、不安症やうつ病の症状はあまり見られなくなり、集中力や周囲との協力性が向上した。
患者にプラセボ効果のトリックの仕組みを説明し、あえて引っかかってもらった場合でも、プラセボ効果の威力は減らないどころか、かえって高まる(本当か?)。
ストレスを感じてもなるべくポジティブな考え方をするための3ステップ
- ストレスを感じたら、まずそれを認識する。ストレスを感じていることを受け止め、身体にどんな反応が表れているかにも注意する。
- ストレス反応が起きたのは、自分にとって大切なものが脅かされているせいだと認識し、ストレスを受け入れる。ストレスを感じるからには、なにか積極的にやりたいと思っていることがあるはず。脅かされているものはなにか? なぜそれはあなたにとって大切なのか?
- ストレスを感じたときに生じる力を、ストレスを管理しようと無駄にしないで利用する。あなたの目標や価値観に合ったことにエネルギーを使うにはどうすればいいか、考えてみる。
ストレスを受け入れるということは、ストレスを愛するということ。ストレスを愛するとは、苦痛、恐怖、不安を愛すること。つまりは、「闇を愛せよ」ということだ。

- 作者: ケリー・マクゴニガル,神崎朗子
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2015/10/22
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