レジリエンスについてのさらなるメモ

前回の記事で「レジリエンス」という概念を取り扱った。

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興味深い概念だ。この概念を掘り下げるべく、僕はさらなる調査を続けた。

レジリエンスの考え方

前回は「心の回復力」という簡単な説明で終わった。もう少し詳細に述べよう。

レジリエンスの考え方としては、心を堅くするのではなく、やわらかくする。なぜなら、どんなに堅い物質でも、それ以上の圧力を受ければ破壊されてしまうからだ。一方、ゴムのようにやわらかい物質は、圧力でへこむことはあっても、壊れることはない。そして、弾力性が高ければ高いほど、元に戻るパワーは強い。

心をやわらかくし、弾力性を高めるというのが、レジリエンスの基本的な考え方だ。

ストレスをどう捉えるか

レジリエンスを高めるには、ストレスへの捉え方が重要となる。

とある研究によれば、「ストレスは健康に悪い」と思っている人ほど実際に不健康になり、逆に、ストレスをポジティブに捉えられる人は健康を保てる確率が高いという。

もちろん、過度のストレスはどう捉えたところで健康に悪いだろうが、日常的なありとあらゆるストレスまで敵視するようになると、逆に健康を損なってしまう。

では、どうすればストレスをポジティブに捉えることができるのか? それは、ストレスを「学習の機会」と考えることだ。ストレスの原因はなにか、どう対処すればいいのか、自分に足りないスキルはなにか、それらを考察し、新しい手段を学ぶことで、ストレスは成長の糧になる。

一番やってはいけないのは、ただ黙ってストレスに身をさらすことだ。それはサンドバックになって一方的に殴られているに等しい行為だ。

要は、「ストレスとファイトしなさい」ということだ。戦って勝てば経験値になる。経験値がたまればレベルアップできる。こういうゲーム的な発想がストレスを良いものにしてくれる。

プレッシャーへの対処法

先に、「過度のストレスはどう捉えたところで健康に悪い」ということを述べた。自分の心がストレスでいっぱいになった状態をストレスフルと呼ぶ。このストレスフルをもたらすのがプレッシャーだ。

プレッシャーがかかると、脳が暴走状態に陥り、恐怖心に襲われるようになる。こうなると、もはや普段の能力は発揮できない。

たいていの場合、大勢の前でなにかを発表しなければいけないとか、あるいは大事な試合の前など、重要な局面でプレッシャーは生じる。

プレッシャーにかかったらどうすればいいのか。まずは、意識して考えを減らすことである。誰しも経験があるだろうが、プレッシャーにかかると脳が暴走するため、いろいろな考えがネガティブな感情とともに渦巻く。その渦を消し去るためには、これから行うことについて、考えを絞るしかない。だいたい3つ程度まで絞ってみよう。

また、事前に別のものに意識を向けておくことも重要だ。たとえば、試合が始まる前には、試合以外のことに目を向けてみる。そうすることでプレッシャーを軽減することができる。

自信をつけるための方法

前回の記事で、自信こそが心のダメージを回復させてくれるアイテムであると述べた。この自信をつける方法について、補足しよう。

てっとり早いのは、他人からほめてもらうことだ。特に、愛する人からほめられるのが効果が高い。よく、うつ病から立ち直った人のインタビューで「恋人にささえ支えられました」というのが出てくるが、愛する人からほめられると、それだけ立ち直りがしやすいということだろう。

とはいえ、このような人は「非常にラッキーな人」であって、他者へのサンプルとしては役に立たない。通常、病気や障害を負っている人は孤独な戦いを強いられるからだ。

他人の存在に期待できない以上、自分で自分をほめることが重要になる。その際、「条件付きの肯定」と「無条件の肯定」という2種類の方法がある。

「条件付きの肯定」とは、なにかを達成できたことの評価として自分をほめること。成果に対する正の評価だ。

「無条件の肯定」とは、ありのままの自分をほめることだ。「病気なのに生きていて偉い」とか、「地面に立っているから偉い」など、本当に無条件で自分を肯定する。

しかし、「無条件の肯定」はいささか無理やり感があり、下手をすれば、道化を演じている自分にかえって嫌悪感を抱く可能性がある。

そこで新たに「過程の肯定」という概念を提唱したい。これは「条件付きの肯定」と「無条件の肯定」の中間に位置する概念で、自分がなにかを行おうとしていることに対してほめる。

たとえば、「今日は1万歩ウォーキングする」という目標があったとしよう。実際にやりはじめたものの、予想以上に疲れたため半分ほどで帰ってしまった。「条件付きの肯定」で考えるなら失敗だが、「過程の肯定」で考えると、ウォーキングをしようとしただけで偉い、となる。

「条件付きの肯定」と「過程の肯定」、この2つの概念を同時に行うことで自分自身をほめていく。これが自信をつける方法だ。

レジリエンスに関する書籍

レジリエンスに関する書籍では、「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」という本がいいらしい。さっそく購入して読みはじめた。

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