『ジョジョリオン』第88話 オージロー再び その② 感想

前回は、再登場したオージローがいきなりロカカカ争奪戦に王手をかける話だった。

www.usamihiro.info

今回はその続きで、東方邸を舞台に、オージローVS常敏&つるぎのバトルが描かれている。

ここからどうやってオージローはロカカカを奪うつもりなのか、という点が前回のポイントだったが、今回でその答えが描かれた。相手に思考するすきを与えず、一気に畳み掛けたのだ。

つるぎを操って常敏を窓の外に誘い出し、両手を出したところで自分がそれに触れる。そうすることでファン・ファン・ファンの印を常敏につける。

これまでファン・ファン・ファンの能力は、真下にいる相手の両手両足に傷がつくと印をつけられる、という説明だったが、今回の描写で、オージローが直接触れることでも印をつけられることが判明した。

しかし、なるほど、確かにこうでもなければファン・ファン・ファンの能力は弱すぎる。いちいち相手の真上に陣取って、下にいる相手に傷をつけなければならないというのは、いくらなんでも面倒だ。初出のときはファン・ファン・ファンの能力って制約が大きすぎないかと思っていたが、今回の描写で納得した。

常敏を操ることに成功したオージローは、常敏の手でつるぎを絞殺させようとする。そして、止めてほしければロカカカを寄越せと脅迫する。

ここで慎重さを発揮して常敏のスタンド像を確認したのはよかったが、つるぎのペーパームーン・キングに触ってしまったのが最大のミスだった。読者的にはもうこの時点で「あ、オージロー負けたな」と直感できる。

案の定、オージローは常敏とつるぎにとどめを刺したかに見えたが、それはペーパームーンの幻覚だったことが後に判明する。

さて、今回の話が面白いのはここからだろう。

ロカカカを奪い、ついでに常敏の財布から紙幣まで盗んでいったオージローだったが、タクシーから降りたあたりで急激な熱に襲われる。その熱により、顔面を内部から破壊されていく。

ここで場面は変わり、オージローの恋人であるマコリンの視点になる。マコリンが家に帰ると、テラスで携帯が鳴り響いている。その携帯はオージローの携帯だ。マコリンが電話に出ると、相手が常敏であることがわかる。

常敏は自分のスタンド──スピード・キングの能力について説明を始める。これまで、スピード・キングは触れた箇所に熱を発生させることができる能力と説明されていたが、ここで新たな情報として、熱を物体に溜めておけることが明かされる。以前からスピード・キングにはまだ明かされていない秘密があることは示唆されていたが、ついに能力の全貌が明らかになった。

オージローが紙幣を盗んでいくまえ、常敏は紙幣に熱を仕込んでおいたのだ。そして頃合いを見計らって、その熱を解き放った。オージローはそれにやられたのである。

そして今、マコリンが手にしている携帯にも、常敏は熱を仕込んでいた。マコリンは凶暴な熱に襲われ、プールのなかへ落ちていく。そこにはすでに死体となったオージローの姿もあった……。

さて、なぜ常敏はオージローに対して、すぐにスピード・キングの熱で攻撃しなかったのか。それは、オージローの共犯者を突き止めるためだ。オージローはロカカカ密売の証拠画像を共犯者に送っていた。だから常敏は、オージローが共犯者のもとへ向かうまで時間を置き、能力を発動したのである。

作中では描写されていないが、おそらくオージローは、マコリンの家についたところで、テラスに携帯を置き、少しでも自分を冷やすためにプールへ飛び込んだのだろう。だがその行動も無駄に終わり、結局はプールのなかで力尽きてしまった。それが、彼の死体がプール内にあった理由だ。

携帯にも熱が仕込まれていたことに関しては、特に疑問点はない。東方邸での攻防の際、オージローの携帯はつるぎの手にあった。スピード・キングが熱を仕込む時間は充分にあったはずだ。

そしてすべてが終わったあと、常敏は悠々とロカカカを回収したのである。

終わってみれば、2話で戦闘が決着するというスピード感のある戦いだった。スピード・キングだけに。

結果だけ見ればオージローはまったくの完敗だったわけだが、気になるのは、彼が発したセリフである。「おまえの家……『終わり』だよ。すでに終わりの始まりだァ」。ここで作者の荒木先生は、わざわざ「終わり」というセリフをかぎ括弧で括っている。

これは、オージロー戦は単なる序章に過ぎず、これからさらなる困難が東方家を襲うという暗示ではないだろうか。

新ロカカカの果実収穫まで、あと3日と1時間19分。

次はなにが起こるというのか……。

ジョジョリオン(21) (ジャンプコミックス)

ジョジョリオン(21) (ジャンプコミックス)

ジョジョリオン 1 (ジャンプコミックス)

ジョジョリオン 1 (ジャンプコミックス)