『ジョジョリオン』第87話 オージロー再び その① 感想

ウルトラジャンプで連載中の『ジョジョリオン』(ジョジョの奇妙な冒険 第8部)最新回の感想。

以前からTwitterでちょろっと感想は述べていたのだが、最近のジョジョリオンが一気に面白くなってきたので、ついにブログでも感想を書いていくことにした。

ジョジョリオンは中盤こそ微妙だと思っていたが、田最環(ダモカン)が出てきたあたりからだんだん面白くなってきた。

よくよく考えてみれば、僕がジョジョを読むときは、いつも中盤あたりは微妙だなと思い、その後、終盤にかけて「めっちゃ面白い」と感じるようになっていく流れだった。つまり、今回もいつも通りだったわけだ。

さて、第87話「オージロー再び その①」である。今回の話は、ジョジョリオンにおける最初の敵だった笹目桜二郎(オージロー)が、またも本編に絡んでくる様子が描かれている。

その本編の感想に移るまえに、これまでの流れを簡単にまとめよう。

ジョジョリオンのキーアイテムに「ロカカカ」というフルーツがある。このロカカカは、病気や障害を抱える人物が食べると、身体の別の部分と引き換えに病気や障害を治してしまうという「等価交換」のパワーを持っている。

主人公の東方定助は、自身の失われた記憶を探る過程で、このロカカカと、ロカカカを密輸している岩人間という種族に出会う。岩人間は、一見すると普通の人間と同じ姿をしているが、その本質は岩でできているという特徴がある。また、岩人間は全員がスタンド能力を持っている。

岩人間たちとの戦いの中で、定助は自身のルーツを知る。そして同時に、今までのロカカカとはまったく異なる「新しいロカカカ」が誕生していたこともわかる。

この新ロカカカは、自分自身ではなく、他人と等価交換をして病気や障害を治すことができるパワーを持っていた。これを利用すれば、他人を犠牲にすることで永遠に生き永らえることも可能になるだろう。新ロカカカの存在を知った岩人間のグループはこれを狙う。一方、己の半身である吉良吉影の母親、吉良・ホリー・ジョースターを救うため、定助もまた新ロカカカを欲していた。

定助は仲間とともに、襲いくる岩人間たちを次々と撃破していく。しかし、新ロカカカの枝は、独自にこれを狙っていた東方常敏の手に渡ってしまう。しかもそのことに、定助も岩人間たちもまだ気づいていなかった。

新ロカカカの枝を探す定助たちは、岩人間の最後のひとりであるTG大学病院の院長を追う。しかし、院長の謎のスタンド能力に翻弄され、その行方を見失ってしまう。

まとめると、定助のグループと岩人間、東方常敏の三陣営で新ロカカカの争奪戦をしているのが現状である。そして、新ロカカカの実が収穫可能となるまで、残り1週間もない。

そのような中で、新たにロカカカを狙うものが現れた。それがオージローである。自称サーファー。スタンドは、自分の真下にいる対象が両手両足に傷があるとき、その対象を自在に操れる「ファン・ファン・ファン」。

冒頭、路上でジェラートを汚らしく食べながらオージローが登場。編集者の「完全なるクズ!!」というアオリが光る。さらに飲み終えたペットボトルやプラスチックゴミをその場にポイ。見かねた通行人が注意するが、オージローはさらなるクズムーブで返答する。

もうこのシーンだけで、オージローのことを忘れていた読者も、彼がどんな人物なのか思い出しただろう。

そしてこの「完全なるクズ」が東方家を調べており、不吉な予感を醸し出している。

場面は変わって、東方つるぎ。公園の噴水のところで寝ている(気絶?)。うっかり赤ん坊がつるぎの折り紙スタンドに触ってしまい、噴水で溺れかける。

走り去っていくつるぎの顔が崩れかける。どうやら東方家の呪い(病気)が発症してきたようだ。

ミナちゃんが鉄門に挟まれた事件は、つるぎが気絶しているあいだに起こったことらしい。ということは、院長の仕業なのだろうか? 監視カメラにそれらしき姿が映っていたし、「なにかが激突してくる」という特徴も院長のスタンドっぽい。一方で、つるぎのペーパー・ムーン・キングが誤作動してしまった可能性もある。いずれにせよ、つるぎ本人に悪意はなかったことだけは確かか。

つるぎは病気のことをまだ誰にも話していない。それを家族に相談すれば「憲助が等価交換する」という流れになってしまうからだ。

父親の常敏は弱肉強食の思想の持ち主だが、息子のつるぎは優しい心の持ち主っぽい。今後、つるぎの動向がキーになることはまちがいなさそうだ。

ふらりと岬に立ち寄ったとき、オージローが接触してくる。

オージローは常敏が田最環と組んでロカカカの密輸を行っていたことを嗅ぎつけたようだ(田最環が岩人間だということは知らないだろうけど)。

「お前の親父を通報するぞ」と脅しをかけてくるオージロー。つるぎはペーパー・ムーン・キングの能力で切り抜けるが、それによって、東方家がスタンド使いだとオージローにバレてしまう。

シーンが変わり、自宅のソファで気絶しているつるぎ。そこへ常敏が帰宅してくる。常敏は息子に病気が発症してきたことに気づく。

つるぎは、「オージロー」と名乗る謎のサーファーが脅しかけてきたことを話す。

それまで名前すら知らなかった男が、突然ロカカカを狙ってきたことに常敏は驚く。因果はどこから巡ってくるのかわからない、という描写だろうか? これもジョジョリオンのテーマっぽい。

ジョジョのテーマは大まかには「人間賛歌」だと言われているが、実際には各部ごとに複数のテーマが混在しているので、よく考えないと作者の意図に気づけない。

常敏は、窓が少し開いていて、靴の足跡があることに気づく。「まさか!」と、彼はカブトムシ部屋に走り、隠してある新ロカカカの枝を確認する。だが、盗まれた形跡はなく、誰かが隠れている様子もない。

そのとき、つるぎの手に妙なマークがついていることに気づく。同時に、その手はスマホを握りしめていて、しかも動画を録画していた。さらに、その手はつるぎの意思で動かすことができなかった。

その頃、東方家の屋上にはオージローがいた。彼はファン・ファン・ファンの能力でつるぎに動画を撮らせていたのである。まんまと常敏を罠にはめた彼は、ロカカカの在り処を知ることに成功する。

オージローはその画像を、東方家をぶっ潰したいと思っているガールフレンドに向けて送信する。さらにオージローは、これからロカカカを奪うことも宣言する。

わけがわからないまま追い詰められてしまった常敏とつるぎ。ふたりはこの窮地をどう切り抜けるのか……というところで今回は終わり。「クズほど強い……」というラストのアオリが冒頭と対応していてセンスがある。

面白いのは、最序盤の雑魚キャラと思われていたオージローが、再登場していきなりロカカカ争奪戦に王手をかけたことだろう。彼は岩人間の存在や、今狙っているロカカカが従来のものとは異なる新しい種類であるとはまったく知らないのだが、だからこそ、こんなにも早く常敏にたどり着けたとも言える。

そもそも敵キャラのスタンド使いが再登場すること自体、ジョジョでは珍しいことだ。Dioやラスボス等のキーキャラクターを除けば、敵スタンド使いが再登場するのは第3部のホル・ホースくらいか。しかし、ホル・ホースはコンビを組む相手を変えるという手で戦術を変えてきたが、今回のオージローは戦術もまったく同じというところが興味深い。

とはいえ、オージローのファン・ファン・ファンは常敏とつるぎにとっては未知のスタンドなので、アドバンテージは充分にある。

ファン・ファン・ファンとの戦いでは、まず本体であるオージローが自分の真上にいることに気づかなければならない。このことをどう察知するかが最初のポイントになる。常敏とつるぎはどんな手を打つのだろうか……。

また、この戦いの行方が新ロカカカ争奪戦にどのような影響を与えるのか。

予想外の展開。これからも注視していきたい。

ジョジョリオン 1 (ジャンプコミックス)

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