映画『アクアマン』はパワフルに最高だった

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すごい……。呆然とした。ダイナミックな映像の数々。観客を飽きさせないために爆発で場面を切り替えていくという力技。それでいてキャラクター描写はきっちりやる。映画『アクアマン』は期待以上の出来だった。パワフル・エンターテイメントだ。これは本当に劇場で見てよかった。

本作はDCコミックの映画群、DCEUの1作だ。DCEUといえばこれまで大好評と呼べたのは『ワンダーウーマン』くらいで、あとはどれもぱっとしない。『マン・オブ・スティール』は最低のスーパーマン映画で、『バットマン vs スーパーマン』はクライマックスくらいしか見所はない。『ジャスティス・リーグ』は及第点だが、ライバルの『アベンジャーズ』には及ばない。そんな中で強烈なパンチを食らわしてきたのが『アクアマン』だ。この映画は、まったくすごい。

まず、映像が楽しい。映画で重要なのはやはり映像だ。個性的な映像さえあれば、たとえストーリーがクソでも最後まで見ていられる(もちろん、『アクアマン』のストーリーはクソではないが)。

『アクアマン』は海底が舞台だ。DCEUの世界では伝説の海底王国アトランティスが実在していて、そこで海底人たちが暮らしている。主人公のアクアマン=アーサー・カーリーは、アトランティスの王女と地上人の男性とのあいだに生まれたハーフだ。彼は種違いの弟、オームの地上侵攻作戦を阻止するため、相棒のメラとともにアトランティスへ赴く。このアトランティスの描写がとにかく美しい。海底でありながら、まるでSFのような未知のテクノロジーがわんさか出てくる。エイのような小型高速潜水艇、侵入者を木っ端微塵にするハイドロキャノン、神秘的に輝く建物の数々。それでいながら、中世の騎士物語風の文化も持っている。海底人は馬のかわりに、巨大なサメやタツノオトシゴの上に跨るのだ。

キャラクターのビジュアルも素晴らしい。特に、ブラックマンタのインパクトは圧巻だ。ブラックマンタはオームと並ぶ本作の悪役のひとり。彼は地上人の海賊だが、アクアマンを殺すため、オームからハイテクパワードスーツを授けられる。このスーツがすごいのは、なんといってもヘルメットだ。でかい! とにかくでかい! マンタの形をしたでかいヘルメットという異様な風貌。赤いカメラアイもまた巨大。だが、それだけではない。なんとこのヘルメット、両目からビームを放てるのだ! 強い! ブラックマンタは一度見たら絶対に忘れられないこと間違いなし。海底の殺し屋、ブラックマンタ。その雄姿をぜひ両目に焼き付けてほしい。

ここまでビジュアル面をほめてきたが、ストーリー自体もよかった。ゲーム世代、特にRPG好きを直撃するプロットだった。お使いイベントをこなし、伝説の武器を手にいてパワーアップするという王道的な展開。主人公のアクアマンは怪力を頼みとする戦士タイプ、相棒のメラは水を操る魔法使いタイプという割り振り。魔物のような半魚人に襲われたり、巨大な怪物が登場するシーンもある。一応は現代世界がベースになっているはずだが、そこに広がっているのはファンタジックな冒険世界だ。特にクライマックスの海底大戦争は大迫力。これはぜひ劇場で堪能してほしい。

それでいてキャラクターのドラマもしっかりしていた。悪役のオームやブラックマンタがアクアマンと敵対する理由も納得がいくものだったし、なにより、アーサー・カーリーがただの無頼漢からヒーローのアクアマンに目覚めていく過程も良かった。アーサーの父親みたいにサブキャラもいい味を出している。

映画『アクアマン』は間違いなく、現時点におけるDCEUの最高峰だ。ライバルのMCUと比較してもトップクラスに位置するだろう。心の底から興奮する展開に大満足だった。

Image from Gyazo

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