『新編 真ク・リトル・リトル神話大系 1』でF・B・ロングを知る

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『新編 真ク・リトル・リトル神話体系 1』とは、簡単に言ってしまえばクトゥルフ神話集である。さまざまな作家の短編が掲載されていて、同神話の創造者であるラヴクラフトの作品もある。

クトゥルフ神話の概要はゲーム等で知っている人も多いだろうが、ラヴクラフト本人の作品を読んだことがある人は案外少ないのではないだろうか。実は、僕もそうだった。

ジャンル的には怪奇小説に分類され、どの作品も恐怖感がある。その中でも特に気に入ったのが、『怪魔の森』という作品だ。著者はフランク・ベルナップ・ロング。

3人の男が、森のなかで得体の知れないものに襲われるという話だ。恐怖がだんだん大きくなっていく感じがいい。

最初は、ひとりの男が水っぽいものに触れられて、側頭部に丸い穴があくというだけなのだが、それが脳みそが凍えそうな痛みに変わってくる。やがて男は獣のように狂いだし、死んでしまう。

医者がやってきて、その男を手術するのだが、男の脳を見た瞬間、医者は理性が削られて退散していく。残ったふたりの男は海へ逃げ出す。突然、森が炎に包まれる。男たちは謎の印と聖なる言葉と唱えることで命拾いをする。

後日、小説家がその日に感じた恐怖を小説のかたちにするのだが、それによって小説家もまた呪われてしまう。今度は印も聖なる言葉も通じず、彼は死んでしまう。その死んだときの様子がまた不気味なのだ。

襲ってきたものの正体や目的がわからないところがいい。登場人物たちのSAN値が削られていく様も、まさにクトゥルフという感じだ。

ほかには『夜歩く石像』という作品も面白かった。こちらは動く石像と戦う話だ。

読み終えてから気づいたが、この石像の話も著者はロングだった。どうやらこの作家とは相性がいいようだ。名前を覚えておこう。

新編 真ク・リトル・リトル神話大系1: 1

新編 真ク・リトル・リトル神話大系1: 1