9月になった。人類は猛暑の日々を耐え抜き、存続している。僕もまた生きている。それが喜ばしいのことなのか、それとも苦痛を先延ばしにしているだけなのかはわからない。未来のことは誰にもわからないと人は言う。だが、はたして、この人生に幸福が訪れることがあるのだろうか?
今月もKindleの月替りセールで気になった本をまとめよう。今回は5冊だ。
ヤマケイ新書 山岳遭難の教訓 --実例に学ぶ生還の条件--

- 作者: 羽根田治
- 出版社/メーカー: 山と溪谷社
- 発売日: 2015/05/01
- メディア: Kindle版
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「山登りにベテランなし」。
すべての登山者が知っておくべき山岳遭難の真実。
登山者にとって山岳遭難はけっして他人ごとではない。
人が自然のなかに踏みこむ以上、なんらかの危険を受け入れる覚悟が必要であるということを、過去の遭難事例は雄弁に物語っている。
本書はこれまでに起きた山岳遭難をレポート。
雪崩、高体温疾患、爆弾低気圧、低体温症、道迷いと、それぞれの遭難の背景を検証しながら、学ぶべきポイントを指摘する。
彼らはなぜ遭難してしまったのか。
そこに至るまでの過程を丁寧に紹介したレポートは、読む者に山に対する心構えを新たにさせるにちがいない。
山岳遭難の事例を紹介した本のようだ。僕には山登りの趣味はない。しかし本書は、単純に知識として面白そうだと感じた。山岳遭難を通じて大自然の恐怖を知りたい。よって、購入した。
魔法世界の元ネタ図鑑

- 作者: ヘイズ中村,魔法研究会
- 出版社/メーカー: 学研プラス
- 発売日: 2015/05/11
- メディア: Kindle版
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ファイナルファンタジー、ドラゴンクエスト、ハリー・ポッター・シリーズなどに登場するキャラクターやアイテムのもとになった事象の本来の意味などを図鑑的に紹介。実際の魔法界での意味と、ゲームまたは物語世界との微妙なズレなどについても解説する。
タイトルでだいたいの内容は察せられるだろう。軽めの資料として購入した。
偽声

- 作者: 藤井清美
- 出版社/メーカー: Amazon Publishing
- 発売日: 2018/06/26
- メディア: Kindle版
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声優をめざし、ひたすら〝声作り〟の鍛錬に明け暮れる若い女性の日々を描いた短編。
渚は勤めていた会社を辞め、「声優になりたい」と一念発起して、単身、上京してきた。2カ所通った声優養成所では芽が出ず、26歳になろうとする今、3カ所目でレッスンを受けている。
もう4年になるが、講師の評価はどこでも同じで、「声に艶がない」と指摘される。これには理由があった。渚には、「声」に関して消せない記憶があるのだ。
養成所には自分より若いライバルがたくさんいて、最初の養成所で同期だったアイドル声優の活躍も渚を苦しめる。不安でいっぱいの時間を過ごす渚。そんな彼女の前に講師として、厳しい指導で有名な若手舞台俳優がたちはだかる。演じる、とは自分自身に向き合うことだ、と渚は思い知る。
夢を追いかける者の葛藤を鮮やかに描き出した佳編。お仕事小説としても秀でている。
声優を目指す女性を主人公した短編小説。声優養成所は名前だけは知っているが、実際にそこでどんな指導が行われているのかは知らない。この作品にはそういったことも描かれているらしい。興味本位で購入した。
ところで、内容紹介で「夢を追いかける者の葛藤を鮮やかに描き出した佳編。お仕事小説としても秀でている」とか書いちゃうのはさすがに萎える。
人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス

人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス (光文社古典新訳文庫)
- 作者: フロイト
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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人間には戦争せざるをえない攻撃衝動があるのではないかというアインシュタインの問いに答えた表題の書簡と、自己破壊的な衝動を分析した「喪とメランコリー」、そして自我、超自我、エスの三つの審級で構成した局所論から新しい欲動論を展開する『精神分析入門・続』の2講義ほかを収録。第一次世界大戦の衝撃をうけた精神分析理論の再構築の試み。
フロイト先生の著作。はっきりいってテーマ自体には興味ないのだが、天才が書いた文章は読んでいるだけで面白い。
ダロウェイ夫人

- 作者: ウルフ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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6月のある朝、ダロウェイ夫人はその夜のパーティのために花を買いに出かける。陽光降り注ぐロンドンの町を歩くとき、そして突然訪ねてきた昔の恋人と話すとき、思いは現在と過去を行き来する――生の喜びとそれを見つめる主人公の意識が瑞々しい言葉となって流れる、20世紀文学の扉を開いた問題作を、流麗にして明晰な新訳で!
こちらはヴァージニア・ウルフ先生の著作。そういえばウルフ先生の作品は読んだことなかったな、と購入してみることに。