「フード姿の男がみんなを投げた」
Netflix限定オリジナルドラマ、『ルーク・ケイジ』のあらすじと感想。今回はシーズン1の第3話。
前回のレビューはこちら。
あらすじ
シーズン1 エピソード3 - 責任の所在
その日の朝──ポップの死は「ギャング間の緊張が高まるハーレムではありふれた事件」として報道された。
ルークは葬儀場の遺体安置所でコットンマウスと遭遇する。コットンマウスを責めるルークだったが、彼は部下が勝手にやったことだと反論。そして、ポップの葬儀の金は自分が出すと言うのだった。
理髪店に戻ると、よくこの店でチェスをしていた男がいた。男は、店は銀行が取り押さえることになるだろうと言った。彼が納税を行っていたので、店の経営状態や借金を熟知していたのである。
「俺が店を守る」と宣言するルーク。男によれば、店の存続には8万ドルが必要とのことだった。それを聞いたルークは、コットンマウスから金を奪ってやることを思いつく。
ルークは、入院しているチコの元へ。コットンマウスを倒すのを手伝えと迫る。
「コットンマウスが銃を売り、いとこが金を管理する」。街のあちこちに金の隠し場所があり、それらは最終的にアタックス・ビルに集められる。その情報を、チコはダンテから聞いていた。
ルークは金の隠し場所を次々と襲撃し、わざと警察に発見させることを繰り返す。
何者かに襲撃されていることを察知したコットンマウスは、分散させていた金をアタックス・ビルに集め始める。
その後、ドミンゴがコットンマウスのクラブに訪れる。彼は、廃品置き場の一件で取引がおじゃんになったことに怒っており、「金を返すか銃を渡せ」とコットンマウスに迫る。しかし、コットンマウスがそれに応じなかったため、ドミンゴは宣戦布告する。抗争の予感に、一気に緊張が高まる。
その夜──ルーク・ケイジはついに行動を起こした。
アタックス・ビルからマライアが出て行くのを見届けたあと、正面からドアをぶち破って堂々と侵入。すぐにギャングたちが応戦してくるが、ルークは怪力で蹴散らしていく。拳銃も、マシンガンも、金属バットもルークには通じない。ついにギャングたちは恐怖のあまり逃げ出していく。
ルークは、金庫に保管されていたバッグの中から、数百万ドルが入ったものを持って、悠々とビルをあとにするのだった。
その後、チコは刑事のスカーフと連絡を取る。彼はルーク・ケイジが戦ったことを知って、次は自分が戦う番だと思った。そして、自分が知る情報をすべて刑事に話そうとした。
しかしスカーフは、ビルを襲撃した男がルーク・ケイジだということだけを聞くと、いきなりチコを絞め殺す。
一方、大金を奪われたコットンマウスは怒り心頭だった。そんな彼のもとにスカーフがやってくる。スカーフの正体は、コットンマウスのスパイだったのだ。スカーフは、ビルの襲撃犯がルーク・ケイジだという情報をコットンマウスに伝える。
その頃、ルークは奪った金をチェスの男に渡し、さらに一部を、経営難に苦しんでいたコニーにあげる。コニーから感謝されるルーク。だがそこへ、コットンマウスの復讐の一撃が襲い来るのだった……。
感想
ついにコットンマウスと本格的にバトルを開始したルーク。今回の彼の行動によって、コットンマウスは大損害を被ってしまう。
しかし、コットンマウスもただやられてばかりではない。彼は最後に、ルークに強烈な一撃をお見舞いする。
一方、今回の話で新情報が発覚した。ミスティ・ナイトの相棒であるスカーフ刑事だが、この人物、なんとコットンマウスのスパイだったのだ。彼の手により、チコは物語からあっけなく退場させられてしまう……。
スカーフが正体を表す直前に、ミスティと仲良く議論するシーンが挿入されているのだが、これが悲劇を予感させる。はたしてスカーフの正体を知ったとき、ミスティはどう反応するのだろうか……と、いろいろ想像すると面白い。
病院のシーンで、ルークとミスティが遭遇するのだが、やはり2人は相容れない。ルークが公権力を嫌っていることもあるが、一方のミスティも自警団を快く思っていないのだ。今回、ビルの襲撃犯がルークであることを真っ先に見抜く彼女だったが、それによってますますルークへの疑念を深めていく。
他方、マライアとコットンマウスも相容れているとは言いがたい。互いに街を良くしたいと思ってはいるのだが、その方法論でもめている。なるべく合法的にことを進めたいマライアと、マフィアのやり方で物事を通そうとするコットンマウス。この2人の溝は、今後のあるエピソードで決定的になる。
善側に位置するルークとミスティ、悪側に位置するコットンマウスとマライア。本来ならもっと円滑に協力し合えるのに、主義の違いで溝ができてしまっている。今回の話はルークのビル突入シーンが目を引くが、こうした人間模様も面白い。