「逃げるのはガキで、立ち向かうのが男だ」
Netflix限定オリジナルドラマ、『ルーク・ケイジ』のあらすじと感想。今回はシーズン1の第2話。
前回のレビューはこちら。
あらすじ
シーズン1 エピソード2 - 街の掟
理髪店で雑談するルークとポップ。ポップは、コニーの店からゴロツキを追い払った男がルークだと知って喜ぶ。
ルークは、ゴロツキ共の黒幕は誰かとポップに尋ねる。ポップは、コットンマウスとマライアが黒幕であり、2人がいとこ同士であることを説明するのだった。
そのとき、ちょうどコットンマウスが理髪店にやってきた。彼はチコの行方を探していた。ポップは、コットンマウスの拳の傷跡を見て、シャミークを殺したのが彼であることを悟る。
コットンマウスが帰っていったあと、ポップは、「チコを奴よりも先に捜し出してほしい」とルークに頼む。ポップの理髪店は街の中立地帯であり、先にチコを保護することができれば、コットンマウスと交渉して、彼の命を助けることができる。一度は街の深淵に関わることを拒むルークだったが、ポップに説得され、チコを捜しに行くことに。
街で地道に聞き込みを続けたルークは、4時間後、ホテルの一室に隠れていたチコを発見する。驚くチコに、シャミークが殺されたことを伝え、ポップの店に来るように言う。だが、金を諦めることができないチコは、ルークに付いていくことを拒否する。
仕方なく、ルークは理髪店に戻って、チコの意向をポップに伝える。ポップは肩を落としながら、チコの父親と自分の関係を語り始める。昔、ギャングだった頃のポップは、コットンマウスとチコの父親を従えて悪さを行っていた。しかし、警察に捕まったことを機に改心し、理髪店を開いて、行き場のない者たちが安心できる場所を作ったのである。
そんな話をしていたとき、店の裏口からチコが入ってくる。チコは謝罪し、ポップは彼を叱りながらも抱きしめる。
だが、そこに2人の刑事が訪ねてくる。事件の重要参考人であるチコを捜しているのだ。ポップとルークは、チコをトイレに隠して応対する。
刑事のうち1人は、あのミスティ・ナイトだった。彼女が刑事だと知ったルークは、明らかに嫌悪感を示す。
刑事たちが去っていったあと、ポップは、自分のかわりにコットンマウスと交渉してきてほしいとルークに頼む。下手に動けば刑事にチコの存在を感づかれる可能性がある。一方、コットンマウスのクラブで働いているルークならば、怪しまれずに交渉することができる。
夜、ルークはコットンマウスに、ポップがチコの件で交渉したがっている旨を伝える。コットンマウスはそれを了承し、翌日、改めて店を訪れるという。
ところが、そこで悲劇が起きる。コットンマウスの部下が独自にチコの居場所を割り出し、店を襲撃したのだ。店の外からマシンガンを乱射する部下。その瞬間、ルークは、咄嗟に身体を張って客の少年を守る。しかし、チコとポップは銃弾に倒れてしまう。
部下は、チコが持っていた金を回収すると、すぐに去っていった。直後、ルークはポップに駆け寄る。ポップは、首に致命傷を負っていた。今際の際、ポップは、「前を向いて進むんだ」という言葉をルークに残す。そして、彼は事切れた……。
その後、警察が店にやってきた。チコは生死不明の状態で病院に運ばれていった。ルークが守った少年は、傷ひとつ負っていなかった。ミスティ刑事は、服が穴だらけでありながら、皮膚にまったく傷がないルークを見て、驚愕する。
一方、金を受け取ったコットンマウスは、部下が自分の指示を無視して行動し、さらにポップを死なせてしまったことを知って激怒。クラブの屋上から部下を突き落とす。そして部屋に戻り、昔のポップの写真を見て、涙を流すのだった。
場面はかわり、コットンマウスとマライアの権力を象徴する「アタックス・ビル」の前に、ルーク・ケイジはいた。ポップの死を目にして、彼はついに、ハーレムの巨悪と対決する意思を固める──。
感想
ルーク・ケイジの第2のオリジンとも言える回(第1のオリジンは能力を得た瞬間で、それは後のエピソードで語られる)。
前回で「やってみる」と決心したルークだが、巨悪を前にして怖気づいてしまう。無敵の皮膚の持ち主とはいえ、彼のメンタル面はあくまで普通なのだ。
しかし、ポップの死という事件を経て、ついにルークは決心する。
一方、ポップの死に涙を流すコットンマウス。部下が命令を聞いてくれないなど、フィスクと比べるといまいち威厳がない彼だが、そのかわり人情味という魅力を持っている。彼もまた、メンタル面は普通なのだ。
今回のポイントは、ターク・バレットが登場したことだろう。
『デアデビル』でお馴染みのキャラクターとなったタークだが、今回の話では、チコの居所をコットンマウスの部下に教えるという重要な役どころを担う。
しかし、その部下がコットンマウスによって屋上から突き落とされたのを見てひと言──「ハーレムはおっかねえところだな。ヘルズ・キッチンに戻るぜ」。……いやいや、あんた、ヘルズ・キッチンで忍者に足を切られそうになったばかりじゃないですか。あそこに比べたらハーレムはまだまともですよ?
もうすっかりギャグキャラが板についてきたタークさん。ぜひ今後とも『アイアン・フィスト』や『ディフェンダーズ』にも登場してほしいものだ。