ライター向け製品として根強い人気を誇るキングジムのポメラ。今回、その新作が5年ぶりに発売されることになった。その名も「ポメラ DM200」。
個人的にも気になっていた製品なので、スペックなどをまとめてみよう。
「ポメラ DM200」の特徴
- コンパクトサイズで持ち運びに便利。
- インターネット機能がないため、文章の入力だけに集中できる。
- PCと違って、開いたらすぐに起動する。
- 日本語入力支援としてATOKや国語辞典、類語辞典が標準で搭載されている。
- バッテリーが長持ち(約18時間)。
ファイルの転送方法
書き上げたテキストファイルを転送する方法だが、基本的には「QRコード」か「アップロード」のどちらかで行う。
「QRコード」は、テキストファイルをQRコードに変換して、スマホのQRコードリーダーで読み取るかたちになる。iPhone用のアプリ「pomera QR code reader」を使用するとより多くの文字数を読み込めるらしい。残念ながら、Android版はないようだ。
「アップロード」は、メール機能を利用してEvernoteなどのクラウドストレージにテキストファイルをアップロードする。あくまで送信専用なので、メールを受信することは不可能。
このほか、「ポメラSync」というiPhoneやMacのメモ帳と同期する機能もあるが、Android使いには関係ないので無視する。
その他の特徴
その他には、アウトラインモードや2つのテキストを並べて編集する機能がある。また、原稿用紙スタイルの縦書きにも対応。
タイピング関係では、「親指シフト」で入力することも可能になっている。この辺は人によっては本当にありがたい機能だろう。
さらに、ポメラ自体をBluetoothキーボードとして使うこともできる。ファイル転送が面倒だという人は、そのままスマホ(またはタブレット)とペアリングして使えばいい。
なお、搭載されている辞典は「角川類語新辞典.S」「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和辞典MX」「ジーニアス和英辞典MX」の4種類となっている。
ネックは値段か
前機種と比べて画面サイズが5.7インチから7インチにアップしていることもあり、順当にパワーアップしている。ただし、そのぶん値段も高くなってしまっている。本体価格49,800円はちょっと購入を躊躇してしまう値段だ。
実際の使用感
まだ未発売の製品なのでこれ自体のレビューはないが、前機種のDM100をレビューしているブログが参考になるだろう。
(DM200にはBluetoothでファイル転送する機能はついていないので注意)
感想
もし実際にポメラを使うとしたら、基本的に文章作成は最初から最後までポメラで行って、完成後にEvernoteなどにアップロードする、という方法になるだろう。細切れにアップロードするよりも、そのほうが効率的なはず。
携帯性に優れ、すぐに起動し、文章入力に集中できる点は魅力的だ。外出先でメモをとる場合なら、ノートPCよりもポメラのほうが明らかに使い勝手がいいだろう。その気になれば長文の入力もできる。
問題は、やはり値段。文章入力専用のマシンに5万円近くも払えるかどうか。プロのライターとして生活している人間なら価値を見出せるかもしれないが、それ以外の人だと厳しそう。せめて、あと1万円ほど安ければ……と思う。