もうKDP1本でやっていくのは無理かもしれない。
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Amazonの読み放題サービス「Kindle Unlimited」は読まれたページ数に応じて報酬が決まる仕組みなのだが、出版社と個人作家であまりに差があるのではないかと言われている。
問題点を簡単にまとめるとこんな感じ。
- 1ページあたりの相場が安すぎて全然儲からない。同人誌のほうがはるかにマシなレベル。
- 個人作家がKindle Unlimitedに参加するには、KDPセレクト(作品をAmazonに独占配信するかわりにロイヤリティが70%にアップするプログラム)に登録しなくてはならない。一方、出版社はAmazon独占ではなくても参加できる。
- 逆に、KDPセレクトに登録していると、全作品がKindle Unlimitedに強制参加になる。嫌ならKDPセレクトを外すしかない。
- また、個人作家は純粋に読まれたページ数で報酬が決まるが、出版社の作品は全体の10%を読まれた時点で定額分の報酬が入る。
で、これに加えてAmazonのランキングが軒並み出版社の作品によって占拠されているため、個人の作品はまったくスポットが当たらないという状況。
要はKDPセレクトに登録していようがいまいが、どちらにしろ厳しくなってしまった。
これまでは「電子書籍はKindleが一番有名だし、そこさえ抑えておけばいいや」という個人作家が少なからずいたわけだけど、こうなってくると、もうKDP1本でやっていくのは無理と判断せざるを得ない。
幸い、「BCCKS」のような各ストアへ配本してくれるサービスがあるので、それを利用するといいだろう。
それはそれとして、こうした不公平さについて公正取引委員会に確認しようという動きがあるようだ。僕も今回はさすがにAmazonが悪いと思っているで、有志の方々と公取委の活躍に期待したい。
と、そんなことを考えていたとき、これとは別件で公取委がAmazonに立ち入りをしたというニュースがあった。
はたして、Amazonのやりたい放題に歯止めがかかるのだろうか。
追記
出版社の作品が10%読まれただけで満額報酬になる件について、漫画家の佐藤秀峰氏が「うちはそんな話は聞いてない」と言っていたので、すべての出版社に適用されているわけではなさそう。
ただ、そういう優遇措置があることについては、フリージャーナリストの西田宗千佳氏が「エビデンスになる資料は入手してますので、間違いないです」と断言しているので本当だろう。
@ryou_takano @hoshimi12 はい、エビデンスになる資料は入手してますので、間違いないです。
— Munechika Nishida (@mnishi41) 2016年8月5日
ということは、これって出版社間でも格差が発生していることになるわけで、よりまずい事態なんじゃないの、と思う。
Amazon、アウトでは?