精神療法の1つ、認知行動療法。
不安障害や鬱病の患者は、とにかく物事を否定的に捉えがちで、認知が歪んでいる。
認知行動療法は、そうした思い込みを正し、行動を変えていくことで、不安やつらさを軽減していく精神療法だ。
「SPARX」は、その認知行動療法をゲーム形式で学べるスマートデバイス向けアプリ。10代の自殺率が高いニュージーランドの国家プロジェクトの1つとして、オークランド大学で開発された。日本向けのローカライズもされており、日本語でアプリを楽しむことができる。
http://www.jiji.com/jc/article?k=000000001.000019383&g=prtwww.jiji.com
「SPARX」の詳細
以下、アプリの説明文を引用。
スパークスとは、ニュージーランドの首相による Youth Mental Health Project の取組みの 1 つとしてオークランド大学の研究者と臨床医のチームによって 10 代向けに開発された認知行動療法に基づくゲームです。日本語版は、日本人成人にも楽しんでもらえるようにローカリゼーションを行ったものです。スパークスは、不安やストレス、憂うつな気分を感じている人に役立ちえる情報を提供し、Smart(賢明で)、Positive(前向きで)、Active(活動的で)、Realistic X-factor thought(現実的な新しい考え方)をする方法を学ぶお手伝いをします。
ゲームの舞台はファンタジー世界で、全部で7つのレベルがあり、1レベルごとに認知療法のテーマを段階的に学んでいける。
- 洞窟の国:希望を見つける
- 氷の国:行動活性化
- 火山の国:感情のコントロール方法
- 山の国:問題の解決を試みる方法
- 沼の国:ネガティブな認知に気づく方法
- 橋の国:ネガティブな認知と戦う方法
- 渓谷の国:全てのまとめ
認知行動療法の有効性
先日、宮崎大学と千葉大学の研究グループが、抗うつ薬で改善しない「社交不安症」に対して、認知行動療法が有効であるという研究結果を発表した。これにより、今後、認知行動療法はますます治療の現場で導入されていくと思われる。
社交不安症は、れっきとした精神疾患の一種でありながら、患者本人も含めて世間からは「性格の問題」だと誤解されやすい。また、そもそも精神科で診てもらうこと自体に抵抗感がある人も多い。もし現在、精神科に通院していない人でも、自分のことを「ちょっとコミュ障だな」と感じているのであれば、このアプリで認知行動療法を学んでみるといいだろう。