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姫呂ノート

散文的な個人ブログ

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スランプを回避する方法について

読書

先日、『作家の収支』を読んでいて、思いついたことがある。

プロ作家の人に、「どうすれば小説が書けるようになれますか?」と質問する人がいるらしい。僕はプロではないので、そういう質問を受けたことはないが、ネットで検索してみると、やはり「小説が書けない」という悩みを抱えている人はいるみたいだ。……と、まるで他人事のように書いたが、正直に告白すると、僕も同様の悩みを抱えている。スランプに陥ったことは何度もあるし、現在でも、執筆速度が遅いことに劣等感がある。そこで、自分に向けて言うような気持ちで、スランプについて書いていこうと思う。

『作家の収支』で、著者は、スランプに陥る理由について「感情的な動機だけに支えられているから」と指摘しているが、これは的を得ているだろう。が、ここではもう少し踏み込んで考えてみたい。

どうすれば小説が書けるようになれますか、と言ってくる人は、「書きたい気分になれない」か「上手に書けない」のどちらか(あるいはその両方)だというのが、僕の意見だ。

「書きたい気分になれない」というのは、完全にモチベーションの問題である。小説を書かなければいけないのはわかっているが、どうもモチベーションが上がらない。文章も思い浮かばない。そういう状態だ。こうなる原因は、「作家は、書くことが好きな人種である」という錯覚があると思う。ほかのプロ作家のインタビューを見ていると、だいたいの人が「書くことが好きじゃないとやっていけない」と述べているわけだが、それを真に受けてしまったのではないか。しかし、本当のプロ作家とは、書くことが好きな人ではなく、嫌でも書く人のことである。

次の「上手に書けない」だが、このタイプの人は、書くこと自体はできる。だが、どうにも思い描いたようにいかない。プロの世界で通用するとは思えない。つまり、自分は下手くそだという意味で「書けない」と言っているわけである。一見するとテクニックの問題のようだが、「自分の下手くそさが嫌だ」という意味では、やはりモチベーションの問題だ。このタイプの人は、まず何よりも「最初から上手な人などいない」と了解することが大事だ。どんな作家であれ、何度も書いて、何度も書き直していくうちに上達していくのである。確かに、自分の文章が下手くそなのは気分が悪いが、それでも書いていくしかない。書いていくなかで上達すると信じるしかない。完璧主義に陥らず、「まあ、なんとかなるさ」と楽観的な姿勢で執筆していくほうがいい。

総合すると、「嫌でも書くこと」と「楽観的な姿勢で望むこと」の2つが、スランプを回避するコツである。まずは箇条書きでもいいので、思いついたことをつらつらと書いていけばいい。それを文章としてかたちにしていく過程で、自然と腕前が上達していくだろう。焦りは禁物である。最初から完璧を目指そうなどともってのほかだ。

いずれにせよ、スランプというのは気持ちの問題である。したがって、気持ちを切り替えることでスランプは回避できる。繰り返すが、気持ちを切り替えるとは、「嫌い」を「好き」にするのではなく、「嫌いだからやらない」を「嫌いでもやる」にすることだ。もし、どうしても切り替えられない、落ち込みすぎて手が動かないという場合は、何らかの精神疾患の可能性があるので、素直に精神科を受診しよう。