アイアン・フィスト シーズン1 第13話「火と戯れる龍」レビュー

「暗闇から出て姿を現せ」

Netflix限定オリジナルドラマ、『アイアン・フィスト』のあらすじと感想。今回はシーズン1の第13話。

前回のレビューはこちら。

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あらすじ

シーズン1 エピソード13 - 火と戯れる龍

ダニーはランド社を通じてヘロインを密輸していた疑惑をかけられてしまう。その疑惑をかけたのはハロルドだった。

ヤミノテが消えた今、ハロルドを抑えられる者は誰もいない。彼は悠々と会社に姿を現す。周囲は驚くが、彼は「死を偽装していた」と強引に説明する。そしてCEOのオフィスを我が物とするのだった。

ジュリ・ホガースはウォードに事態の説明を求める。ウォードは、父がダニーをハメたことを話す。

一方、麻薬取締局に追われる身となったダニーは、コリーンとともに行動していた。ダニーは信じていたハロルドに裏切られたことで深く傷つく。

クレアを通じて、ダニーたちはホガースと接触することに成功する。ホガースが調べたところ、タブレット端末にダニーが悪事を働いてた証拠が残っているという。そのタブレットとは、ガオが帳簿に使っていたものだった。つまり、ハロルドはタブレットのデータを改竄し、ガオの犯罪をダニーになすりつけたのだ。

ダニーの無実を証明するためには、改竄まえのデータを入手する必要があった。彼とコリーンはデータを求め、バクトのアジトに取り残されていたガオを訪ねる。

ガオによれば、データのコピーはどこにもなく、無実を証明するにはハロルドからタブレットを奪うしかないという。

しかし、ガオはもっと重大な情報をダニーに明かす。彼の両親が死に、ダニー自身の運命をも変えた飛行機事故は、実はハロルドが仕組んだものだったのだ。ランド社を通じたヘロインの密輸も、ハロルドがガオとともに画策したものである。ダニーの父はそれを止めようとして消されたのだ。

思いがけない真実をまえに、ダニーの怒りは頂点に達する。あくまで冷静に、ハロルドからタブレットを奪うべきだと説得するコリーンとクレアをよそに、ダニーはハロルドを殺すことに固執する。

その頃、ウォードはジョイに、これまで父がやってきた犯罪を説明していた。最初は兄の話を信じようとしないジョイだったが、ダニーが麻薬密輸疑惑で追われていることを知り、ようやく耳を傾ける。その後、彼女は怪我も治らないうちにランド社へ行き、直接、父に問いただす。そのときの態度から、彼女はついに父の本性を悟るのだった。

夜、ジョイが会社を去ったあと、ダニーたちはウォードと連携して、オフィスの隠し金庫からタブレットを強奪する計画を立てる。

先にオフィスの様子を見に行ったウォードは、まだハロルドが部屋に残っており、さらに複数の武装した警備員がガードしていることを知る。そのことを電話でダニーに告げるウォードだったが、息子の様子に勘づいたハロルドは、ゴルフクラブで彼の頭を殴打する。

いきなり電話が途切れたことで、ダニーたちはウォードの身に危険が迫っていることを悟る。冷静に警察を呼ぶべきだと主張するコリーンとクレアだったが、ふたりの言うことを聞かず、ダニーは会社へ乗り込むべく飛び出していく。

しかたなく、コリーンはダニーの後を追う。一方、クレアは会社の近くで小さな火事を起こし、周囲の警備員の気を引くことに成功する。警備が手薄になった隙を突いて、ダニーとコリーンはそれぞれ別ルートから侵入していく。

1階にいる警備員からの報告により、ハロルドはダニーがやってきたことを知る。彼はエレベーターのまえに警備員を並べ、銃撃の集中砲火を浴びせる陣形をとる。

しかし、ダニーは意外なところからやってきた。彼は屋上からロープを使って飛び降り、オフィスの窓をぶち割って侵入するのだった。ハロルドたちは完全に後ろから奇襲を受けたかたちになり、陣形は崩れ去る。その隙に、ダニーはオフィスの照明をすべて落としてしまう。

暗闇の中では銃の狙いも定まらず、しだいにハロルドは追い詰められる。形勢不利を察した彼は、金庫からタブレットを取り出して逃げようとする。そこへコリーンが背後から忍び寄るのだったが、彼女に勘づいたハロルドは銃口を向ける。

コリーンのピンチに、ダニーは光る拳を発動させる。そして拳を地面に叩きつけ、衝撃波で全員を転倒させるのだった。

間一髪で助かるコリーン。一方、一足早く立ち上がったハロルドは屋上へ逃げていく。それを追うダニー。その間に、気絶から目覚めていたウォードがタブレットを回収する。

屋上で最後の戦いが始まる。ダニーは銃弾をかいくぐり、ハロルドを突き飛ばす。すると、伸びていた鉄骨がハロルドの腹に突き刺さってしまう。

自分を殺せと挑発するハロルド。怒りに囚われかけるダニーだったが、不死龍の試練を思い出し、怒りを克服する。そして「もう復讐はしない」と宣言し、ハロルドを警察の手に委ねようとする。

ダニーが背を向けた瞬間を狙って、ハロルドが銃撃する。不意をつかれたダニーだったが、とっさに光る拳を発動させ、銃弾を弾く。特に気を集中させようと意識していないのに拳が発動できたことに、ダニー自身も驚くのだった。

続けて発砲しようとするハロルドだったが、やってきたウォードに逆に銃弾を浴びせられて、屋上から転落してしまう。

その後、遺体を回収されたハロルドは、ダニーとウォードの手によって、再び生き返るまえに火葬される。タブレットのデータによってダニーの無実も証明され、一連の事件は終りを迎えた。この戦いによって成長したウォードは、今度は心から、ダニーを会社に迎え入れようとする。ダニーは、彼との間に確かな絆を感じとるのだった。

今後のことについてコリーンと話し合うダニー。彼は一度、クン・ルンに戻るつもりでいた。山を降りた理由をちゃんと師匠に説明するのと、アイアン・フィストの修行をやり直したかったのが理由だった。ダニーは、コリーンにもついてきてほしいと望み、彼女はそれを喜ぶ。

一方、街に残っていたダヴォスは、ジョイを誘ってダニーを暗殺する計画を立てていた。そして、ふたりの背後にはマダム・ガオの姿が……。

さらに、クン・ルンへ行くため雪山を登るダニーとコリーンだったが、彼らはその途上で、ヤミノテとクン・ルンの僧侶が戦闘を行った形跡を発見する。アイアン・フィストがいない間に、ヤミノテが襲撃をかけてきたのだ。そのまま奥へ進んでいくと、クン・ルンの入口はすでに閉ざされていた。

ダニーは、自らの選択の結果を突きつけられる。彼とヤミノテの戦いは、まだ終わっていない──。

感想

最終話。ようやくハロルドとダニーの直接対決が描かれる。これまでのハロルドの言動を見ていれば、彼が飛行機事故の黒幕と明かされても「まあ、そうだよね」と特に驚くところはない。しかし、今までハロルドを信じていたダニーにとっては衝撃だったろう。この辺とかもそうなのだが、どうも本作は、視聴者とダニーの心情をシンクロさせるのに失敗している節がある。

最後のエピソードだけあって、ストーリーはテンポよく進んでいくのだが、わからない部分もあった。それはラストでダニーが怒り克服するシーンで、彼は不死龍の試練を思い出すことで克服するのだが、肝心の試練の内容が明かされていないので、なぜこれが怒りを克服することにつながったのか、何度見てもわからない。シーズン1のテーマ上で最も大切なシーンの意味がわからないっていうのはかなり問題だと思う。こういうところも本作が酷評されている理由の1つ。

その中にあって、やはりウォードの存在は癒やしだった。ようやく本当に父の呪縛から解き放たれたことで、あれだけ反発していたダニーにも優しく接することができるようになった。この成長ぶりはまさに主人公と呼ぶに相応しい。そう、シーズン1の本当の主人公はウォードだったのだ。そう思えば納得がいく。うん、そういうことにしよう。

さて、これで『アイアン・フィスト』のシーズン1までのレビューが終わったので、ようやく『ザ・ディフェンダーズ』のレビューに移れる。あちらは、これまでのNetflixドラマシリーズの総決算ということもあり、いろいろ面白かったので、再視聴するのが楽しみだ。

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