『ナルコス』シーズン3でスタッフは実力を証明し、次の舞台は本場メキシコへ

麻薬王パブロ・エスコバルの死後、コロンビア最大の麻薬犯罪組織となったカリ・カルテルは、わずか1年あまりでその栄華を終えた。これは、その過程を描いた物語である……。

というわけで、Netflixオリジナルドラマ『ナルコス』のシーズン3を鑑賞した。かなり面白かったので、感想を書きたいと思う。

『ナルコス』の概要

まず簡単に概要を説明する。海外ドラマ『ナルコス』は、麻薬犯罪に関わる人々を描いたストーリーである。実際に起きた出来事を元に作られており、登場人物のほとんどは実在した(または現在も実在する)人物。シーズン1〜2までは、麻薬王として有名なパブロ・エスコバル、および彼と敵対する麻薬捜査官のマーフィーを軸にドラマが展開されていた。

そのエスコバルがシーズン2のラストで死亡し、今回のシーズン3からは新たにカリ・カルテル(組織名)が台頭。また主人公も、マーフィーがドラマから退場し、代わって彼の相棒だったペーニャ捜査官にバトンタッチした。

視聴前は、カリスマ的存在だったエスコバルが死んだのでつまらなくなるかと思っていたのだが、まったくそんなことはなく、今回も最高に面白かった。

カリ・カルテルの4人のボス

パブロ・エスコバルが絶対的なボスだったメデジン・カルテルと異なり、カリ・カルテルは4人のボスが組織を率いている。この4人組にそれぞれ個性があって面白い。

  • ドン・ヒルベルト……4人組のリーダー。事実上のナンバーワンであり、抜群の管理能力で組織を繁栄させた。見た目はサッカー好きのおじさん。

  • ドン・ミゲル……ヒルベルトの弟。途中からヒルベルトに代わって組織の舵取りを行うが、悲しいくらいボスの器がない。たぶん兄貴がいなかったらここまでの地位を得ていなかった。それくらい凡庸な人。

  • ドン・パチョ……4人組の中で一番のイケメン。ただし、ゲイなので女性に興味がない。愛人(♂)からはかなり慕われていた。チェペの次に戦闘的な性格。

  • ドン・チェペ……4人組の中で一番マフィアらしい風貌のおじさん。笑い方も「グフフ……」と悪党っぽく、実際にかなりの悪党。好戦的であり、なにかとすぐ敵対者を殺す。しかし人を見る目が壊滅的で、最後の最後でとんでもない人選ミスをやらかす。

物語のあらすじ

大規模テロを実行したメデジン・カルテルとは反対に、カリ・カルテルは徹底して政府との戦闘を回避する方針で成功を収めていた。金をばらまいて政府関係者や軍警察、企業を買収し、その組織力はカリ市内の盗聴を可能にするほどだった。

しかし、組織の2大ボスだったヒルベルトとミゲルの兄弟が、組織関係者に自首計画を発表したことで、転機が訪れる。

この自首計画は、麻薬事業から手を引くことで政府に可能なかぎり罪を軽くしてもらい、それまでの犯罪の大半を見逃してもらうという、事実上の引退戦略だった。

だが、この発表によって、それまで完璧だったバランスが徐々に崩れていく。

さらに、自首する前にDEA(アメリカの麻薬取締局)によって、ヒルベルトが逮捕される事件が発生。それにより、カルテルはますます崩壊へ突き進む……。

その混乱の中でスポットライトが当たるのが、ホルへ・サルセドという男性。

ホルへは、ヒルベルトの引退後に組織を脱退し、警備会社を立ち上げようとしていたが、混乱の中で幹部から重宝されるようになり、カルテルから抜け出せなくなっていく。

そしてある事件を契機に、身の危険を感じたホルへは、秘密裏にDEAに情報を流すようになる。

DEA側の主人公がペーニャなら、ホルへはカルテル側の主人公。彼が無事にカルテルを抜け出せるかどうかでサスペンスが発生。このホルへが最も一般人に近いキャラクターなので、視聴中はとにかく「ホルへ頑張れ」という気持ちになる。

シーズン4は麻薬戦争の本場「メキシコ」へ

最後は、もちろん史実どおりにカリ・カルテルは崩壊する。そこまでの過程がシーズン3で描かれ、エピローグで、次の舞台はメキシコだと示唆される。

メキシコといえば、麻薬戦争の本場だ。これよりもっと激しい戦争が始まるのか……と、恐怖と好奇心でわくわくが止まらない。

シーズン3は最高だった。パブロがいない物語を描いてみせたことで、スタッフの実力も証明された。シーズン4も楽しみに待っていたい。

『ナルコス』オープニング(シーズン1〜2までのバージョン)

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