ルーク・ケイジ シーズン1 第13話「俺のやり方」レビュー

「時には後戻りも必要だ。だが前へ進む。いつだって──」


Netflix限定オリジナルドラマ、『ルーク・ケイジ』のあらすじと感想。今回はシーズン1の第13話。

前回のレビューはこちら。

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あらすじ

シーズン1 エピソード13 - 俺のやり方

ルーク・ケイジとダイアモンドバックの最終決戦が始まった。ダイアモンドバックはハマー社の特製スーツに身を包み、ルークと互角の怪力をふるう。激しい戦いはポップの店をめちゃくちゃにした。それだけで収まらず、2人は外へ飛び出す。やがて戦いに気づいた人々がマルコムX通りに集まり、いつしか人垣ができていた。

クレアも現場に現れ、ミスティと合流した。機動隊も到着し、銃を構えながら戦いの様子を見守る。マライアはマスコミを呼び、どさくさに紛れてルークの正体がカール・ルーカスであることを暴露した。

ダイアモンドバックの猛攻を受けたルークは、人々の声援によって立ち上がる。「ルーク! ルーク!」人々がコールする。そして攻撃を耐えきったルークは、強烈なアッパーカットをお見舞いした。「俺は兄貴の番人か? いいや違う」。ルークの渾身の一撃を食らったダイアモンドバックは吹っ飛び、もはや立ち上がれなかった。ルークの勝利だった。

ダイアモンドバックが病院へ搬送されていく。ルークも機動隊から銃を向けられるが、ミスティの擁護によって事なきを得る。その後、ルークはあくまで参考人として、自ら署へ赴く。一方、マライアはコットンマウス殺害の容疑者として、ミスティが逮捕した。

ルークは警察署で、これまでの経緯を語る。コットンマウスや警官を殺していないこと、前に警官を投げ飛ばしたときは治療のために急いでいたことなど。彼のトークは次第に熱を帯び、ポップが死んで、ようやく自分がやらなければと決意したこと、ハーレムに希望を取り戻すために戦ってきたことなどにも及んだ。その演説のような決意を聞いた周りの警官たちは、心からルークの無実を信じるのだった。

一方、取り調べを受けるマライアは、いよいよ追い詰められていた。ダイアモンドバックがコットンマウスを殺したことにしようとするが、そこにミスティが、キャンディスの証言の録音データを聴かせる。キャンディスははっきりと「マライアが犯人だ」と口にしていた。青ざめるマライア。

だがそこへ、思いもよらない知らせがミスティにもたらされる。キャンディスが路上で殺害されたというのだ。彼女はすぐに察する。これはシェイズの仕業だった。理髪店にダイアモンドバックが登場したとき、混乱の中でミスティは携帯電話を落としてしまっていた。それをシェイズが拾い、キャンディスを呼び出して殺したのだ。

重要な証人であるキャンディスが死んでしまったため、裁判でマライアの犯行を立証するのは難しくなってしまった。敗北を悟ったリドリー警部は、マライアを不起訴にする。この結果に、ミスティは愕然とするのだった。

一方、ルークの元にはシーゲート刑務所から警察が派遣されてきた。ルークの正体がカール・ルーカスであるとマライアが暴露したため、彼を連れ戻しにきたのだ。

「もう逃げない」ルークはシーゲート刑務所に入ることを受け入れた。

エピローグ。マライアはシェイズとともにクラブを建て直し、コットンマウスにかわってハーレムを取り仕切ることに。そんな彼女を、ミスティは追い続ける。病院で治療を受けるダイアモンドバックのそばには、バースタイン医師の姿が。一方、今回の騒動を経て、クレアは、自分でも戦えるように武術を学ぶことを決める。そしてボビーは、戦いの跡が残る理髪店から、ある書類を発見した。それは、シェイズが持っていた、カール・ルーカスの無実を裏づける証拠書類だった。

シーゲート刑務所へ向かう車の中で、ルークは心の中でつぶやく。「時には後戻りも必要だ。だが前へ進む。いつだって──」

感想

シーズン1のラストエピソード。ルーク・ケイジ、マライア組、ダイアモンドバックの三つ巴になった後半戦は、以外にも以外、マライア組の勝利で幕を閉じた。

まず、ルークとダイアモンドバックのガチンコ対決から見ていこう。注目したいのは、ダイアモンドバックのスーツがハマー社製だということ。ハマー社は映画『アイアンマン2』で登場した組織だが、社長のジャスティン・ハマーが逮捕されたあとも事業を継続しているようで、このドラマ内で何度も名前が登場している。そもそも一連の事件の発端となったコットンマウスの銃取引だが、この銃器類を製造したのもハマー社だった。おそらく、スターク社が軍事産業が撤退したあと、ハマー社がそのあとを継いでいるのだろう。

そして対決の内容だが、怪力と怪力がぶつかり合う、とても激しいバトルだった。思えば、『ルーク・ケイジ』のストーリーで超人同士が戦うのはこれが最初で最後だ。これまで銃との戦いを描いていたが、ラストにガチンコ対決を持ってくるあたり、やはり本作はストリート系を意識しているのだろう。

対決の決着が、敵の攻撃に耐え抜いたあとで反撃するというのも、実にルークらしい。フィナーレを飾るのにふさわしいバトルだった。

だが、最後にすべてを持っていったのはマライアだった。これは偶然に助けられたところもあるが、やはり本作のテーマとも関わっている。

本作のテーマの1つは「本当の自分を受け入れる」ことだった。このテーマは、ヒーローとして目覚めたルークと、ヴィランとして目覚めたマライアの2人を通して描かれている。

コットンマウス殺害以降、マライアは少しずつ自分の本性を自覚していき、最後には凶悪な側面を受け入れた。それを象徴するのが、拳銃を懐に忍ばせるシーンだ。これまでマライアは、裏の仕事になんか関わりたくないと言ってきたが、自ら拳銃を手にすることで、今後は裏の世界にも関わっていくことを示している。

このように、本当の自分を受け入れたマライアが勝利するのは、テーマ的には当然なのだ。

一方、ルークもただ敗北したわけではない。ハーレムの人々の信頼を勝ち取り、さらに、彼の無実を証明する書類は、既にボビーの手にある。たとえ収監されてもすぐに釈放されるだろう。そして実際、『ザ・ディフェンダーズ』において、ルーク・ケイジは帰ってくるのだ。

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