ルーク・ケイジ シーズン1 第12話「混沌に謳う詩」レビュー

「見よ、青白い馬が現れた。それに乗っている者の名は“死”という」


Netflix限定オリジナルドラマ、『ルーク・ケイジ』のあらすじと感想。今回はシーズン1の第12話。

前回のレビューはこちら。

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あらすじ

シーズン1 エピソード12 - 混沌に謳う詩

機動隊により手錠をかけられるルーク。車両に乗せられて連行されるが、途中で手錠を引きちぎって逃亡する。警察は未だにダイアモンドバックを疑っていない。ルーク自身の手で真犯人を捕まえる必要があった。

翌朝、穴だらけのパーカーを着て逃亡を続けるルークは、コンビニへ強盗が入っていくところを目撃する。すぐに駆けつけ、強盗を退治すると、店の中にはメソッド・マン(実在する有名なヒップホップ・アーティスト)がいた。メソッド・マンは助けてくれた礼に、自分のパーカーとルークのものを交換する。

さらにメソッド・マンは、ラジオ番組でルークの無実を訴える。彼の言葉を聞いた黒人たちは、わざと穴の空いたパーカーを着て街に繰り出す。彼らの行動は警察の捜査を撹乱し、ルークは無事にポップの店までたどり着くことができた。

その頃、ミスティはクラブの接客係のキャンディスと接触していた。彼女のほうから「話がある」と呼び出してきたのだ。外でキャンディスと落ち合うと、彼女は、コットンマウスを殺した犯人はマライアだと証言した。だが、彼女が話したことが漏れれば暗殺されてしまう。キャンディスの身を守るため、ミスティは一時的に彼女をクレアの元に預けることにする。

一方、警察に逮捕されたシェイズは、ダイアモンドバックが手を回して保釈金を支払ったことで釈放される。署の外に出たシェイズは、ジップと2人の部下によって無人のビルに連れて行かれる。エレベーターに乗ると、突如、ジップがヒモで首を絞めてきた。シェイズは必死に抵抗し、部下が腰につけていた拳銃を奪う。2人の部下を射殺し、逆にジップの頭に拳銃を突きつけたシェイズは、誰の命令でやったのかを問う。「ダイアモンドバックだ」ジップが答えると、シェイズは彼の頭を撃ち抜いた。

ボビーと再会したルークは、今後のことを話し合う。ボビーは、売人のタークから情報を引き出そうと作戦を練る。嘘の情報でまんまとおびき寄せられたタークを、ルークは尋問する。「ダイアモンドバックは145丁目の川沿いの倉庫にいる」それを聞き出すと、ルークはタークをゴミ箱の中に閉じ込める。タークは半べそをかくのだった。

その倉庫では、ドミンゴが部下を引き連れてダイアモンドバックと対峙していた。いきなり銃を向ける。ドミンゴはダイアモンドバックを殺しに来たのだ。ダイアモンドバックの部下も現れ、銃撃戦になる。奥の部屋に退避したダイアモンドバックは、謎のケースを開ける。「見よ、青白い馬が現れた」ニヤリと笑うダイアモンドバック。それは彼の切り札だった。

ルークが倉庫に着いたとき、既に戦闘は終わっていた。殴り殺された死体の数々が転がっている。ドミンゴは虫の息だった。そのとき、ルークは変な音がしているのに気づく。音の発信源に行くと、時限爆弾がセットされていた。慌ててドミンゴを抱えながら倉庫を出る。爆発が起こった。何があったのか尋ねるルークだったが、「奴は見たことがないものを使った」と言い残してドミンゴは息絶えた。

ルークはポップの店に戻る。そこへ、なんとマライアとシェイズがやってくる。彼らは、暴走を続けるダイアモンドバックを、ルークに始末してもらおうと思ってきたのだ。シェイズの手には、かつて、ダイアモンドバックがカール・ルーカスをハメたときの証拠書類があった。これがあればシーゲート刑務所時代の罪状は帳消しになる。最初は拒否していたルークだったが、書類を目にして心が揺らぐ。そこへミスティも現れる。シェイズとミスティは銃を突きつけ合い、一触即発の状況になる。

そのとき、店の入口にグレネードが投げ込まれた。爆発とともにドアが吹き飛ぶ。何が起こったのか。ルークたちが店の前に目を向けると、そこにはダイアモンドバックが立っていた。ダイアモンドバックは、作業着のようなスーツに身を包んでいる。すかさずシェイズが発砲するものの、銃弾はスーツに弾かれて傷ひとつ残せない。

これこそがダイアモンドバックの切り札だった。彼は皆殺しを宣言する。マライアとシェイズは裏口から逃げ、ルークは実の兄に立ち向かっていく。

すべてが始まったポップの理髪店で、今、最後の戦いが行われようとしていた。

感想

今回の注目は、なんといってもメソッド・マン。本人役で登場し、ラジオ番組を通じて街の雰囲気を変えるという、重要な役どころを担った。

日本人の感覚だと、「殺人の容疑で疑われている人物がそう簡単に信用されないのでは?」と思うところだが、そこはやはりアメリカ。「黒人が警官殺しで疑われたら逃げるに決まってるだろ」というひと言で多くの人々(特に黒人)は納得してしまう。未だに黒人が差別を受けている状況が如実に表れているシーンだ。

さて、これまで脇役としてストーリーを牽引してきたドミンゴだが、いよいよ退場となった。ダイアモンドバックの切り札の前に敗れ去るという最後で、いわば、切り札の威力を引き立てるための役割だった。脇役としての仕事をまっとうしたと言える。

そして、ジップもまた退場した。今回の話でジップは、たびたび「今のお前を見たらコットンマウスが悲しむぞ」と言われており、現在のハーレムがコットンマウスの理想とは違う方向へ行ってしまっていることが、彼を通して描かれている。

タークは退場しなかった。本作からの出番は終わったが、別に死んではいない。ゴミ箱に閉じ込められるという笑える役どころで、もうすっかりギャグキャラが板についてきている。次もまた、別の作品で笑わせてくれることだろう。

ついに登場したダイアモンドバックの切り札、その正体は作業着のようなスーツだった。見た目はダサいが、性能は抜群であり、ルーク並の怪力や防御力を発揮できる。ちなみに、彼がスーツケースを開けたときに述べた「見よ、青白い馬が現れた〜」というのは、ヨハネ黙示録に登場する第4の騎士のこと。疫病や野獣などを操って地上の人間を殺していく恐ろしい存在で、メガテンシリーズではペイルライダーと呼ばれる。

これまでルークは銃弾と戦ってきたが、そんな彼の最後の戦いは、素手によるタイマン。ストリート系のドラマである本作の締めくくりに、ふさわしいバトルだ。

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