ルーク・ケイジ シーズン1 第5話「名声のために」レビュー

「I Am The Gun」


Netflix限定オリジナルドラマ、『ルーク・ケイジ』のあらすじと感想。今回はシーズン1の第5話。

前回のレビューはこちら。

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あらすじ

シーズン1 エピソード5 - 名声のために

コニーの店の爆破からルークが生還した後日、クレア・テンプルがハーレムに帰ってきた。

『デアデビル』シーズン2の事件後、クレアは病院を辞め、故郷に帰ってきた。彼女は母が経営するレストランに顔を出す。そこで母に、超人たちに出会ったこと、さまざまな経験を経て「超人たちを助けたい」と思っていることを打ち明ける。

そんな娘に、母は運命について語る。今やクレアは、大きな世界の一部になったのだ。

金を奪われたことにより、ほぼ破産状態になったコットンマウス。このままでは権力を失ってしまう。少しでも金を集めるため、彼は部下に「街中から金を取り立てて来い」と命令する。そして、その責任をルーク・ケイジになすりつける。

騒動の中で、アイシャという女性が、大切にしていた指輪をジップに奪われる。その指輪は、彼女の父親の栄光を象徴するものだった。

ポップの追悼式が迫っていた。ルーク・ケイジは理髪店でチェスの男と話し合う。家がふっ飛んだルークは、ひとまずポップの部屋に住むことに。そこへ、強盗の被害にあった者たちが押しかけてくる。事情を聞いたルークは、「俺の任せろ」と動き出す。

ルークは、コットンマウスの部下を襲撃して、みんなの奪われたものを取り戻していく。次に、クラブへ向かい、直接コットンマウスのもとへ。「俺の名前を使うな」と警告する。部下がルークを銃撃するが、銃弾は無敵の皮膚に弾かれる。そのとき、コットンマウスのそばにいたシェイズは、ルークの正体がカール・ルーカスであることに気づく。

最後にルークは、ジャッキー・ロビンソン・パークでジップを発見する。ジップは拳銃を発砲するが、やはり効かない。ルークは拳銃を折り曲げ、アイシャの指輪を取り戻す。

一方クラブでは、シェイズが「無敵の銃弾」の話をコットンマウスにしていた。ニューヨークの戦いで来襲したエイリアンの金属から作られた銃弾で、着弾すると破裂する性質があり、軍用の防弾ベストすら破壊する。この銃弾=ユダならば、ルークを殺すことができる。

コットンマウスはすぐにでもユダを手に入れたいと思うが、今の彼に買える代物ではない。そこで、別の手を考える。

警察署。ミスティは、警部からスカーフにスパイ疑惑がかかっていることを聞かされる。だが、彼女はその話を信じられない。

そのスカーフは、コットンマウスから「押収した銃器を持ち出せ」と命令される。だが、それは彼にとってもリスクが高い行為。一応は指示どおりに銃器を持ち出すスカーフだったが、このまま素直に従うことに迷いが生じる。

ポップの追悼式が始まった。コットンマウス、シェイズ、ミスティ、アイシャらが参列。遅れてルークもやってくる。

ルークは、アイシャを見つけて隣りに座る。彼女がバッグの中に拳銃を忍ばせていることに気づいたルークは、「解決したよ」といって、拳銃を握りつぶした。

コットンマウスが壇上に立ってスピーチをする。「外国からの侵入者や変わった能力を持つよそ者から俺が街を守る」と語る。その視線の先にはルークがいた。

次に、ルークがスピーチをする。人助けをしていて遅れたことを謝罪し、アイシャの指輪を取り出しながら、「ポップはみんなが輝けると信じていた。俺たちも普段からポップのように人助けをしよう」と訴える。人々は感銘を受け、スタンディングオベーションが起きる。

スピーチを終えたルークは、アイシャに指輪を返す。「あんたもヒーローなの?」そう尋ねるアイシャに、「みんなの? そうだ」と答えるのだった。

感想

クレア姐さんが登場。『デアデビル』、『ジェシカ・ジョーンズ』に続き、本作でも登場を果たした。

どうも忍者集団に病院が襲われた件は大変なショックを受けたようで、心境にかなりの変化があったようだ。「超人たちを助けたい」。そんな娘に、母は「運命だよ」と語る。もはやクレアが、MCUの重要な一員になったことを示す言葉だ。

一方、コットンマウスから風評被害を受けたルークは、「本当の俺を見せてやる」といって立ち向かっていく。本当の自分を見せる。これは『ルーク・ケイジ』のテーマであり、人種差別への対抗手段をはっきりと提示している。

ラストのコットンマウスとのスピーチの違い。コットンマウスは「外国からの侵入者や変わった能力を持つよそ者から俺が街を守る」と語る。一見すると頼もしい言葉だが、その裏には「異なるものへの差別意識」と「自身への権力の一点集中」という危険な思想がある。

そんな彼に対して、ルークのアンサーは「俺たちも普段から努力しよう」である。ありきたりといえばありきたりだが、みんなで努力するということが、民主主義の本質である。

本作は、MCUの中でも特に現実の状況を反映させて作られている。社会不安の増大やグローバリズムへの反動から、差別意識や過剰な自己責任論、救世主願望が大衆のあいだで散見されるようになった。そんな時代だからこそ、ルーク・ケイジの言葉は重く響くのだ。

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