『ネットで会って30分で結婚を決めた話』読んで、夫婦円満の秘訣を考える

実は本書を読んだのはずいぶんと前なのだが、今更ながら感想を書いてみる。

結論から言うと、本書には一種の理想的な結婚が描かれている。もちろん、誰にとっても正解というわけではない。しかし抽象的には、1つの理想と言えるものだ。

一時期ネットで有名になった話だから、知っている人も多いだろう。

著者であり、BL好きのれのれのさん。その夫でゲームプログラマーのシムさん。2人の出会いから婚約、そして結婚後の様子を描いているのが本書の内容だ。

凄いのは、婚約した経緯。2人が知り合ったきっかけは2ちゃんねるのメル友募集スレで、何回かやりとりをしているうちに自然と会うことになった。ここまでは普通。だが、いざ実際に会ってみると、互いに「この人と結婚するかも……」という予感がして、それを打ち明けたところ、即婚約となった。

それまで結婚願望があったわけでもなく、また婚約はしても恋愛感情はないというのだから、本当に凄い。恋愛至上主義者が読んだら卒倒しそうだ。

しかし、そんな簡単に結婚を決めてうまくやっていけるのか? これがなんと、成功しているのだ。

その秘訣はどこにあるのだろう?

まず、2人は基本的な価値観が一致している。酒もタバコもギャンブルもやらないし、なにより、自分の趣味が一番という性格。夫のシムさんはゲームに打ち込み、妻のれのれのさんはBLに夢中。実際、一緒に家にいても会話はあんまりないそう。

結婚してれのれのさんは専業主婦になったわけだが、シムさんの要求が低いこともあって楽だという。そもそもシムさんは「この人と一緒ならゲームの邪魔はされなさそう」という一点で結婚を決めたので、家事はたまにやってくれればいいのだ。

価値観の一致、そして相手に完璧を求めないこと。こうした点が重要そうだ。

また、「褒めてほしいことは自己申告する」「誕生日や結婚記念日などのイベントを祝わない(もめると面倒だから)」「なにかミスがあったら即座に謝罪する」といったことも参考になるだろう。

個人的には、なによりも相手に甘えていない点が、夫婦円満の秘訣だと思った。もちろんイチャラブはしているだろうが、そういう意味の甘えではなく、「あれしてほしい、これしてほしい」といった、私の気持ちを察して的な甘えがない。相手の好意を期待していないとも言う。

結婚はしていても、互いに1人の人間として自立している。これが夫婦円満の秘訣では。

ところが、ネット上ではそんな2人を否定する人間も多い。たとえば、「この2人は自分勝手すぎる」という批判だ。どうも、2人が結婚式に乗り気じゃないところを見て、そう思ったようだ。

だが、これはおかしな批判だ。そもそも、結婚というのは個人同士の都合である。2人が主役の結婚式で「自分勝手だ」などと批判するのは筋違いだ。

こうした批判をする人は、おそらく、他人の評価で結婚を決めるのだろう。自分が結婚したいからするのではなく、周りが結婚していて焦ったとか、親を喜ばせたいからというように、他人の目線を気にしている。そういう人にとっては、結婚式はやって当然であり、それに反対する人間は自分勝手な悪いやつ……となる。

たぶん、結婚後に「こんなはずじゃなかった……」と苦労するのは、こういうタイプではないかと思う。子供なんかも、「結婚したら作るのが当然」と考えて、なんとなく作ってしまう。実は、結婚したからといって子供を作らなければいけないわけではないのだが。

その点、この2人は自分の気持ちを第一に考えている。世間体を気にして流されることはないし、子供に関しても、「自分たちが欲しいと思わなければ作らない」という意見だ。こうした姿勢こそが自立なのである。

最後に、れのれのさん本人が考える夫婦円満の秘訣がブログで公開されているので、そちらを紹介して終わる。

renorenoru.jugem.jp