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姫呂ノート

散文的な個人ブログ

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Xamarinコミュニティの炎上に見る、特定の人物を持ち上げることの危険性について

社会

先日、Xamarinコミュニティでちょっとした炎上騒ぎがあった。

僕はIT関係の話題は好きだが、技術者ではないので、普段はこの手のコミュニティ内トラブルの話には乗っかったりはしない。しかしこの件では、コミュニティ内において特定人物を過剰に持ち上げることの危険性が現れていると思ったので、言及することにした。

以下、Xamarinコミュニティが炎上した経緯を見ながら僕の意見を書いていく。今回は技術者コミュニティで起こった事件だったが、似たようなことは企業でもある。対岸の火事と思わず、広い視野で見てほしい。

なお、誤解のないように、僕自身は騒動の渦中にいた千代田まどか氏のアンチではないことを、予め述べておきます。

まず、まったく事情を知らない人向けに1から説明しよう。

簡単に説明すると、Xamarin(ざまりん)というのは、開発ツールの一種のことだ。以前は独立した会社のものだったが、買収され、現在はマイクロソフトの傘下にある。

で、先日、そのXamarinの勉強会があった。その際、登壇者の1人が以下のようなスライドを発表した。

これがきっかけで炎上になり、図のヒエラルキーで「神」と位置づけられた千代田まどか(ちょまど)氏が多くの人から攻撃される結果になった。

一応説明しておくと、このスライドは千代田氏が作成したものではない。このとき、千代田氏は遅刻していたそうで、それをいいことに登壇者の1人がいじりだした(つまり冗談だった)……というかたちだ。

しかし、いくら冗談とはいえ、「無償化されて知った人」を一般ピープル呼ばわりはさすがに失礼だろう。犯人の登壇者は千代田氏に対して失礼を働いたという認識はあるようだが、それ以外の人々にも失礼を働いているという認識はあるのだろうか?

で、僕がこの件を知ったのは「生涯未熟」さんのブログ記事による。これを読んだ時点では「登壇者の1人が馬鹿をやっただけだな」と思っていたので、ブコメは残したものの、それ以上に言及するつもりはなかった。

ところが。

同じくこの件に言及した「今日も得る物なしZ」さんのエントリーを読んで、問題の根っこはコミュニティ内にあるのでは……と思うようになった。

正直、ぶったまげたね。

これ、勉強会だよね? なんで誕生日会やったりしてるの? おかしくね?

ちなみに、ケーキに書かれている「Xamarinはいいぞ!!」は千代田氏の口癖。

この事実を知ってからは、生涯未熟さんのエントリーに書かれていた「xamarinコミュニティによるちょまど氏への持ち上げ(または特定の人物の偶像崇拝行為)」の意味がありありとわかった。

Xamarinコミュニティに、「登壇者の誕生日は必ず祝う」という風習があるならわかる。でも、これはそうじゃないよね? 千代田氏の誕生日を祝うことがメインで、田淵氏は(言っちゃあ悪いけど)オマケだよね? 千代田氏がいなかったら、誕生日ケーキなんて出されてなかったよね?

確認のため、当日のスケジュールを見てみたが、問題のケーキが出された時間は明らかに「勉強会の真っ最中」の時間。ありえない。休憩中や懇談会でやるならまだわかるが、勉強会のときにやるか、普通。

こうしたことが行われている以上、「xamarinコミュニティによるちょまど氏への持ち上げ」は事実と判断せざるを得ない。

で、このように「特定の人物をアイドル化する」というのは、(アイドル稼業でもないかぎり)非常に危険なのである。

アイドル化された本人や、持ち上げている周囲にとっては気持ちいいだろう。しかし、容姿や性的な魅力等を理由に、特定の人物が持ち上げられている状態が続けば、損をするのは影で真面目に努力している人たちである。しかも、それを技術者のコミュニティという、特に「実力」が評価される場でやっている。こうなると、アンチが発生するのはごく自然な成り行きだ。

容姿という、生まれつきの部分で評価するようになると、絶対にそれを妬む者が出てくる。これを「妬むな」というほうが難しい。なにせ、努力で覆すのが難しい部分なのだから。アンチからすれば、本来求められていた能力とは無関係な部分での評価を始めたのは向こうなのだから、そもそもあいつらが悪い、となる。

そして不公平な状態が続いていけば、何かのきっかけで憎悪が噴出することになる。まさに今回のように。一番の損害を被るのは、アイドル化された当人だ。

このようなことを防ぐためには、日頃から周囲が気をつけなければならない。楽しいから別にいいや、と見過ごすのではなく、楽しくても不公平ならば止めなくてはならない。

また、アイドル化されている当人も、今回の誕生日ケーキのように、本来は無関係な場で自分のプライベートが混同されていないか(あるいは、自分でも混同していないか)、気をつける必要がある。それが結果として自分を守ることにつながる。

その後の千代田氏のTwitterを追ってみると、法的制裁を匂わせる発言をしていた。たぶん、DMか何かでもっと酷いことを言われたのだと思う。

もちろん、被害を受けた千代田氏には同情するし、名誉毀損をするアンチが一番悪い。ただし、そうしたアンチを生んでしまった土壌がどこにあったのか、という点を忘れてはならない。

で、これと似たような事件は、ほかのコミュニティ内でも起こっているようだ。ネットでいくつか話が流れてくるし、実際、心当たりがある人もいるだろう。

繰り返すが、こうしたことを防ぐためには、たとえ好きな相手であっても平等に、かつ対等に扱っていかなくてはならない。

この炎上騒ぎを受けて、主宰の田淵氏はコミュニティ・ポリシーを設けることにしたようだ。ただ、英語の原文を日本語訳したからなのか、書かれていることがどうも回りくどい。個人的には、下記のような明解なポリシーのほうがいいと思う。

いずれにせよ、ハラスメントだけでなく、過度な持ち上げもまたトラブルの火種である、ということを繰り返して、このエントリーを終えたい。

追記

その後、田淵氏より、今回の件について正式に表明があった。

ytabuchi.hatenablog.com

それによると、

特定の誰かを特別に持ち上げない。というのももちろんですが、(これは私の個人的な思いですが)女性エンジニアが女性らしく振る舞うことを(もちろん、男性、女性がどんな振る舞いでもです)許容し、かつ女性だからといって無駄にチヤホヤしないというところを目指していきたいと考えています。

とのこと。

問題点を把握し、改善の意思が伝わってきたので、Xamarinコミュニティに関しては今後の運営に期待できそうです。そういうわけで、今回の件はこれで終わりということでいいと思います。

関係者の方々、お疲れ様でした。

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