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姫呂ノート

散文的な個人ブログ

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良い理念は具体的、悪い理念は抽象的

雑記

先日、僕は研修に参加してきた。職場の百貨店の研修だ。百貨店で働いたことがある人はわかると思うが、そこで働く従業員は全員、研修を受けなければならない。接客の注意点だとか、遺失物の管理方法だとか、そういった決まりごとに関するレクチャーを受けるのだ。

で、この手の研修ではたいてい、その百貨店の歴史や理念についても教えられる。今回の場合でも理念について聞かされたわけだが、それがあまりにも抽象的で、思わず苦笑してしまった。

小学校レベルの理念

一字一句を引用すると勤務先がバレてしまうのでぼかして書くが、「ひとりひとりのお客様と向き合って〜」とか、「真摯で誠意な対応を〜」とか、そういったひどく抽象的な言葉がいくつも並んでいた。具体性がないので、結局、何をどうしたいのかまったくわからなかった。おそらく、あれら全部の言葉をひっくるめると、「私たちは、精一杯がんばります」程度のことしか言っていないだろう。まるで小学校だ。

抽象的で中身がない

この百貨店に限らず、企業の理念は抽象的なものが多い。高尚なようで実は中身があまりない、というパターンがほとんどだ。なぜ、もっと具体的にしないのだろう。経営者向けの本に、「理念は抽象的にすべし」とでも書いてあったのだろうか?

企業理念というものは、できるだけ具体的で、かつシンプルにすべきだ。そうじゃないと、社員は覚えられない。仮に覚えていたとしても、曖昧でふわふわした言葉では、何をどうすべきかわからないだろう。そんなものを社員に押しつけることが、いかに理不尽で無駄なことか。

良い理念の具体例

良い理念の具体例といえば、Googleである。

まず、Google全体のスローガンはこうだ。「Googleの使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです。」──実に具体的だ。Googleという会社が何をやるのかが端的に表現されている。

その後に続く、「10の事実」というリストも具体的である。

  1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
    • (要約:常にユーザー第一で考えるよ。金銭と引き換えに広告の順位を変えたりしないよ)
  2. 1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
    • (要約:検索で培った技術は、他のサービスにも応用できるよ)
  3. 遅いより速いほうがいい。
    • (要約:常に最速で情報を届けることを目指すよ)
  4. ウェブ上の民主主義は機能します。
    • (要約:リンクを『投票』と解釈することで、アルゴリズムに民主主義を取り入れているよ)
  5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
    • (要約:モバイル端末の利便性も常にアップデートしていくよ)
  6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
    • (要約:ユーザーを騙したり邪魔したりするような広告はやらないよ)
  7. 世の中にはまだまだ情報があふれている。
    • (要約:ウェブページ以外の情報も整理していくよ)
  8. 情報のニーズはすべての国境を越える。
    • (要約:全世界のユーザーが情報を利用できるようにしていくよ)
  9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。
    • (要約:打ち解けた雰囲気の会社にしていくよ)
  10. 「すばらしい」では足りない。
    • (要約:技術革新を繰り返して、期待を上回るものを作っていくよ)

※より具体的な詳細はこちらへ

これを見れば社員だけでなく、部外者であっても、Googleが何を目指し、何をしていくのかイメージがつかめるだろう。まったくもって良い理念である。

まとめ

悪い理念は抽象的であり、それ故に中身がない。何をするのかが明確ではなく、端的に言い換えれば「精一杯がんばります」という小学校レベルのことしか言っていなかったりする。

対して、良い理念は具体的であり、オリジナリティがある。その会社がどういう会社なのか、社員のみならず、部外者にも一目瞭然である。「個性のある理念」とでも言おうか。良い理念は、その個性故に、会社の方向をはっきりさせ、バラバラな社員をまとめることができる。