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姫呂ノート

散文的な個人ブログ

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本当の個性と自己中の違いとは

読書

人間の建設

人間の建設

『人間の建設』を再読中に考えたことの覚書き。

この対談ではいろいろ興味深いことが語られているが、一番はやはり「個性」の問題だという気がする。本当の個性とは何なのか。それは自己中とは何が異なるのか。そのテーマが僕の心に残り続けている。

岡潔は、自我を抑制すべきと言っている。一方、先日に読んだフランスのエッセイの本では、著者は「自分中心で考えるほど、他人のことも考えるようになる」と主張していた。一見すると真逆だが、「他人のことも考えるべき」という点では一致している。だからこそ、どちらの主張も正論に思えるのだ。

この矛盾に僕なりの答えを出すと、「本能や欲情は抑制すべきだが、自分の感情には素直になるべき」ということだと思う。具体的な例を上げれば、相手を好きだという気持ちには素直になるべきだが、「犯したい」という本能は抑える。もしその本能に抵抗なく従ってしまうと、これは強姦になってしまう。

本能と感情の違いはなんだろう。僕なりの言葉で表すと、本能は「これがしたい」という衝動で、感情は「こうなりたい」という願いだ。一般的な意味での感情はそうではないだろうが、岡潔がいう感情は「心」のことなので、この解釈でまちがってはいないだろう。

この解釈なら、「なぜ自分の感情に素直になると、他人のことを考えるようになるのか」という疑問に対する答えにもなる。自分がある状態に「なる」ためには、その過程で必ず他人の存在を意識するからだ。変化した自分を想像するとき、そこには必ず他人との比較が存在する。もし比較する対象がいなければ、変化しようなどとは思わない。思う必要がないからだ。

まとめると、本当の個性とは「自分の感情に素直になること」であり、自己中との違いは「本能を抑えていること」である。そして、「感情に素直になる」とは、「こうなりたい」という願いの実現に向けて自分を動かすことだと言える。

人間の建設

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