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姫呂ノート

散文的な個人ブログ

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1年に1回は『星の王子さま』を読もう

読書

星の王子さま (岩波少年文庫)

星の王子さま (岩波少年文庫)

何年ぶりだろう、『星の王子さま』を読んだのは。忘れていた大切なものを思い出せたような気がした。

この作品には、大人の嫌な部分がたくさん描かれている。子供の頃は、王子さまと同じく「大人って変だなあ」と思っていたのに、いつの間にか、自分がまさに「変な大人」になっていた。大人になってから読んでみて、そういうことに気づかされる。

そのなかでも、僕が特に「これは覚えておかないと」と思ったのが、「認識」について書かれた部分だ。

本編中に、こんな文章がある。

おとなたちは数字が大好き。新しいともだちについてきみがおとなたちに話してあげても、おとなたちはけっして本質的なことについては質問しない。たとえばこんなことは絶対に訊かない。「どんな声をしてる? どんな遊びが好き? 蝶を集めてる?」かれらが訊くのは次のようなことだ。「いくつなの? 兄弟は何人? 体重は? お父さんの年収は?」それだけ訊いてやっと、ともだちのことを知った気になるのだ。おとなたちに、こんなふうにいってみるといい。「薔薇色の煉瓦でできたきれいな家を見たよ、窓にはゼラニウムが咲き屋根には鳩がいた……」おとなたちはその家を想像することもできない。こういってやらなくてはならないのだ。「十万フランもする家を見たよ」と。するとかれらは感嘆する。「なんてすてきな家だろう!」

現代は、数字があふれている。ありとあらゆるものが数字に還元される。たとえば、商品のレビューなんかも、「5点満点のうち何点か?」というふうに表したりする。わかりやすくはなっているのだけど、本質からはどんどん離れている。物事を数字で見ることに慣れきってしまうと、本質をつかむことができなくなってしまうのだ。

この作品は、人生において本当に大切なものについて書かれている。しかし、最初に読んだときにわかったつもりでも、時が経てば忘れてしまう。だから、この本は何度も繰り返して……せめて1年に1回は読み返したほうがいいと思った。

星の王子さま (岩波少年文庫)

星の王子さま (岩波少年文庫)